ゆっくり走れば速くなる?LSDの3つの効果と3つの注意点とは?

「ゆっくり走れば速くなる」という文言は、1984年に発売された故・佐々木功監督の本のタイトルとしても有名です。

指導を受けていた浅井えり子さんがソウルオリンピック代表になることで、その理論の正しさを証明してみせました。

1984年に発売された本であるため一度絶版となりましたが、理論そのものは古くないため、復刻版が発売されています。

私はこの本を読んだことはないのですが、LSDの効果を感じているランナーとして、その必要性を説いていきたいと思います。

LSDの3つの効果

結論から言うと、LSDの効果は以下の3つです。

LSDの効果

毛細血管の発達
遅筋の発達
ダイエット効果

一つ目は毛細血管を発達させる効果です。

走るペースが速いと酸素の供給が追いつかなくなり、無酸素でエネルギーを作り出すことになります。

しかし、ゆっくり走ることで酸素を充分に供給することができます。

酸素を充分に含んだ血液は毛細血管を通って全身を循環するため、普段はあまり使わないような毛細血管が発達するのです。

毛細血管が発達すれば、最大酸素摂取量の向上も見込めます。

二つ目は遅筋を発達させる効果です。

長く動き続けることで、長時間動き続けられる遅筋が発達します。

筋肉には速筋と遅筋の2種類があります。

速筋は瞬間的に大きい力を出せますが持続性がありません。

一方、遅筋はそれほどの力は出せないものの長時間動き続けるという特徴があります。

また、トレーニングで太くすることのできる速筋と違い、遅筋は太くすることも増やすこともできません。

遅筋を発達させると書いておいて矛盾するようですが、ポイントなのは速筋の方です。

速筋を遅筋化させるのです。

長時間低負荷で動き続けるようなトレーニングをすると、速筋は遅筋の特徴を持った「中間筋」という持久的筋肉に変わります。

つまり筋持久力がついたというのは、中間筋が増えたというのとイコールです。

速筋は白色、遅筋は赤色と言われていますが、中間筋はピンク色をしています。

赤を増やすことはできませんが、白をピンク化していくことで持久力をつけていくのです。

最後にダイエット効果です。

短時間のトレーニングだと、エネルギーとなるのは糖(グリコーゲン)の割合が大きいですが、長時間の運動だと脂肪の割合が高まります。

そのため、長時間かつ低負荷の運動ほど脂肪燃焼効果は高いと言えます。

さらに、脂肪を燃焼させるのを身体に覚えさせることで、レース中にも糖を温存し脂肪をエネルギー化させやすい身体になることが期待できます。

このあたりは朝ランでも同様の効果が期待できます。

詳しくは「朝ご飯前のランニングでマラソンは速く走れるようになる?」の記事をご覧ください。


LSDの3つの注意点

LSDを行う際の注意点は以下の3つです。

LSDの注意点

フォームを崩さない
スピードを上げない
距離を決めない

一つ目はフォームを崩さないことです。

これは速く走る時より難しいと言えます。

ゆっくり走ると腰が落ちてしまったりするランナーも多いです。

速く走る際にはフォームを気にしづらいので、ゆっくり走る際に意識しておき、速く走る時に自然と良いフォームで走れるようになるのが理想です。

二つ目はスピードを上げないことです。

これは前述した効果と目的を考えればわかると思います。

スピードを上げてしまうと毛細血管や遅筋の発達といった本来のLSDの目的が変わってしまいます。

逆にVO2MAXやATペースの向上に役立つかもしれませんが、そういった目的の練習はインターバルやペース走でやった方が良いのです。

では、どのくらいのペースが良いかというのに明確な正解はありませんが、一般的に言われているのは「不快なほどゆっくり」のペースです。

私の場合はキロ4分未満でペース走を行いますが、LSDはキロ7分台です。速くても6分は切らないようにすると良いでしょう。

最後に距離を決めないことです。

ランナーの多くは「月間〇〇キロ走った」のように距離に縛られがちです。

しかし、距離に固執してしまうと早く終わらせようとしてペースが速くなってしまったり、逆にバテてしまう可能性もあります。

LSDはバテるほど行うのではなく、もうちょっと走れるくらいの余力を残しておくものです。

LSDをバテるほど行ってしまうと回復に時間がかかってしまうため、本来の強度の高いポイント練習であるインターバルやペース走などが高いレベルで行えなくなります。

そこでおすすめなのが、時間で区切って練習することです。

私の場合、LSDは基本的に3時間と決めて行います。何キロ走ろうが3時間経ったらやめます。

また、区切りのいいところであれば多少の前後は気にせずにやめてしまいます。

このへんの緩いところがポイント練習とは違うところです。

なお、LSDを信号の多い道路などで行うのはあまりおすすめしません。

あくまでも動き続けるのが目的なので止まらないで走れるコース設定をおすすめいたします。

まとめ

私は以前、とにかく速いスピードでの練習を重要視していました。

インターバルやタイムトライアル、30kmペース走など強度の高い練習ばかりを行っていました。

その方が速く走れるようになると思っていたからです。

実際にそういう練習だけでもサブスリーはできましたが、後半失速したり脚が攣ったりということも多く、もろさも併せもっていました。

フルマラソンで安定して力が出せるようになったのは、LSDを重要視するようになってからです。

特に私のように速筋が多く、スピードはあっても後半で失速してしまいがちなランナーほどLSDの効果は絶大です。

スピードランナーほど中間筋にできる要素を多く持っているわけなので、試してみることをおすすめいたします。

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