マラソン公認記録とは?公認レースと公認コースの違いについて

意外と皆混同したり、正しく「公認」記録を理解していない人が多いです。

公認記録として認められるためには、陸連登録者として陸連公認レースに参加する必要があります。

公認記録として認められる条件

1.公認レースであること
2.陸連登録者としてエントリーすること

たとえ陸連公認レースであっても、自身で陸連に登録し、陸連登録者の部で出場しなければ自分の記録は公認されません。

また、公認コースであっても公認レースではないというパターンもあります。

ややこしくなりますので順に解説していきます。

陸連登録とは?

陸連登録とは、自分が居住または勤務する都道府県(または市区町村)の陸協(陸上競技協会)に競技者登録をするものです。

各競技協会によって登録のルールや費用は異なりますが、共通するのは4月から3月までの年度単位で更新が必要なことです。

ちなみに私は東京陸協に個人で登録をしていますが、申し込み料金は3,450円(登録費用3,100円 手数料350円)で「e-moshicom(モシコム)」にて申し込んでいます。

登録が完了すると陸連番号がもらえます。公認レースエントリーの際にその番号を入力することで、陸連登録者としてレース登録がなされたことになります。

レースエントリーの際に陸連番号を問われない場合は陸連公認のレースではないと思ってください。

公認なのに陸連番号を問われない場合、公認コースであって公認レースでない場合が多いのです。


公認コースとは?

マラソンに限らず公認のロード競走で認められる距離の誤差は1,000分の1まで、つまりは42.195mまでです。

しかし、未満であってはならないため、42.195km〜42.237195kmが認められる誤差の範囲ですが、さらに短小防止ファクターとして1,001mを1,000mとするというルールもあります。

つまり、42.195kmぴったりだと言われている距離は実際には42.237195kmであり、そこからさらに上記の誤差を考慮すると、公認コースのフルマラソンは42.237195km〜42.27939kmが適正値ということになります。

なお、距離の計測には一般的には自転車が使われ、3台の自転車の平均によって決められています。(50mのワイヤー計測をする場合もあるようです。)

コーナーを曲がる時などは走路の内側から一定の距離(30cm)をとって走行するようです。

この計測を行うのは、コース計測員の資格を持った人でなければならず、計測は早朝に行われます。

これは日が昇り、道路の表面温度が上がると、自転車のタイヤの空気圧に変化が生じるためです。

以上のようなことを考えると、公認コースを設定することがいかに難しいかおわかりいただけましたでしょうか?

許される誤差はたったの42.195mなのですから。

また、スタートとゴールの高低差も競技距離の1,000分の1以下でなければならず、(つまりマラソンなら42.195m)スタートとゴールの直線距離も競技距離の2分の1以下(つまりマラソンなら21.0975km)でなければなりません。

前者は下り偏重コース、後者は追い風ファクターを考慮してのものです。

まとめると、マラソンが陸連公認コースであるためにはこられらの条件が必須となります。

マラソンが公認コースであるための条件

1.距離は短くてはならず、長さの誤差も42.195mまでしか認められない。(さらに短小防止ファクターもあり)
2.スタートとゴールの高低差は42.195m以内でなければならない。
3.スタートとゴールの直線距離の差は21.0975km以内でなければならない。

また、公認の有効期間は5年間で、5年経ったら再度計測しなければなりません。

公認レースとは?

公認コースでなければならないのはもちろんですが、日本陸連あるいは都道府県陸協(またはその傘下の地区陸協)などが主催または主管していることと、公認審判員が競技審判を行っていることが必要です。

そのため、公認コースであっても公認レースではないというケースが生じるのです。

公認レースではない公認コースで得た記録は公認記録とはなりませんが、公認コースの記録でエントリーできる大会もあったり、全日本マラソンランキングの対象大会であったりする場合もあるので、自分が何を求めて大会に参加するか考えてエントリーしましょう。

公認コースや公認レースの運営にはそれなりの費用が当然かかるため、参加費も高くなる場合が多いです。

その記録は公認記録?

繰り返しですが今まで説明したように、公認記録であるためには以下の2つが必須条件となります。

公認記録として認められる条件

1.公認レースであること
2.陸連登録者としてエントリーすること

そうでない場合は公認記録ではありません。

また、公認レースではナンバーカードを前と後ろ両方につけなければならないため、前しかゼッケンがない場合は公認記録にはならないレースです。

公認レースであっても、陸連登録者以外は前ゼッケンのみという場合もあります。

事例①距離の足りなかった横浜マラソン

2015年の第1回横浜マラソン。

186m距離が足りなかったということで話題になり、マスコミでも大きく取り上げられましたが、マスコミの取り上げ方にも問題があり、多くの誤解を生んでいるようなので今さらながらですがその内容をお伝えしたいと思います。

このレースでは、募集の段階から「日本陸上競技連盟・公認コース申請予定」という記載がありました。

なぜ予定かというと、コースの一部に首都高速を使うため、事前に距離を測ることができず、当日計測するためでした。

私は最初からこのことを知っていましたが、そもそも誤差が0.1%(約42m)しか許されない距離計測を、事前にGPSなどで調べていたのかもしれませんが、大丈夫なのか?と疑問に思っていました。

で、案の定、距離が足りなかったわけですが、問題はこの後の報道の仕方です。

「横浜マラソン距離不足で記録は非公認に」といった類いの報道や記事を多く見ましたが、これは大きな誤解です。

ここまで私の記事を読んだ方ならおわかりでしょうが、そもそもこの大会は公認レースではなかったのです。

当日に公認コースを申請するわけですから、公認レースではあり得なかったのです。

仮に距離が足りていて公認コースとなった場合も、記録は公認されませんでした。

これがわかっていたので私は最初からエントリーする気はありませんでした。

それをわかっていない報道も多く、また一部のランナーも的外れな文句を言っている人がいて辟易しました。

ただ、公認記録にはならなくても、前述したように公認コースでの記録でエントリーできる大会もありますので、それを狙っていた人が文句を言うのであれば筋が通っています。

しかし、当日の距離計測の難しさと、あくまでも申請予定という記載しかなかったのに、最初からそれを求めるのはいかがなものかと私は思います。

なので、「距離がどうとか言う人もいるけど、楽しかったから良かったよ」という人を見ると、こちらも清々しい気分になります。

ちなみに10kmも94m足りず、非公認となりましたが、こちらの方が問題です。

10kmの94mとなると公認基準の0.1%の誤差を大きく上回る0.9%に相当する上、そもそも高速道路を通らない10kmコースは事前に距離確認ができたからです。

これは運営側の怠慢と言われても仕方ありませんが、こちらは参加者も少ないせいかあまり問題視されていませんでした。

フルマラソンばかりがクローズアップされるのが日本らしいところですね。

事例②唯一の非公認ワールドマラソンメジャーズ ボストンマラソン

毎年4月第3月曜日に開催される、国際陸上競技連盟ゴールドラベルの大会であり、ワールドマラソンメジャーズの1つでもある、歴史のある(1897年創設)大会です。

ワールドマラソンメジャーズは他に、東京マラソン(3月上旬)・ロンドンマラソン(4月下旬)・ベルリン(9月下旬)・シカゴマラソン(10月上旬)・ニューヨークシティマラソン(11月上旬)の5つがあり、計6レースであり、世界6大マラソンとも呼ばれていますが、この6大マラソンの中で唯一ボストンマラソンは非公認のレースです。

このレースは高低差の規定である、スタートとゴールの42.195m以内を満たしておらず、(下り基調)ほぼワンウェイのコースであるため、スタートとゴールの直線距離21.0975km以内も満たしていないためです。

これだけ条件を満たしていないのにワールドマラソンメジャーズに選ばれているのは、その深い歴史があるために他なりません。

話はだいぶ逸れましたが、2011年に2時間3分2秒という、当時の世界記録に相当するタイムでジョフリー・ムタイ選手が駆け抜けたことで話題になりました。(当時の世界記録はハイレ・ゲブレセラシエ選手の2時間3分59秒)

2017年には大迫傑選手が初マラソンで3位、2018年には川内優輝選手が優勝するなどで話題にもなりました。彼らは公認記録が欲しくて走ったわけではないんですね。

まとめ

公認記録かどうかということは、トップランナーにはエントリーできる大会に関わったりするので大きな問題ですが、サブ4くらいのランナーであれば、ほとんど関係ない問題とも言えます。

以前は陸連登録者というだけで東京マラソンに当たりやすかったり、エントリーしたレースで前からスタートできるレースも多かったりしましたが、今はほとんどそういった優位性はなさそうです。

公認記録が欲しい方はこだわる必要がありますが、そうでない方は出場したいと思う大会にエントリーすればいいかと思います。

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