2020年8月27日(木)、発表から半年近く経ってようやくエアズームテンポネクスト%が発売されました。
エアズームアルファフライネクスト%のトレーニングモデルという位置づけのシューズです。
しかし、それに留まらないポテンシャルを持ったシューズだと私は思います。
エアズームテンポ ネクスト% 重さ
26.5cmで257gです。
エアズームテンポ ネクスト% アッパー
アッパーはフライニットです。
しかし、ズームフライフライニットやヴェイパーフライ4%フライニットのフライニットと違って、伸縮性はそれほどありません。
拡大するとこんな感じで、つま先部分はしっかり目に作られています。
通気性はかなり良いです。
冬場に履くとつま先が冷えました。
エアズームテンポ ネクスト% ミッドソール
ミッドソールはリアクトとズームXのクッションの間に合成プレートが入っています。
合成プレートはカーボンプレートほどの硬さと反発感はありませんが、その分カーボン入りシューズより屈曲性があるのが良い点です。
アルファフライ(右)と比べてみると、横から見たフォルムは似ています。
ただし、ミッドソール全体がズームXフォームのアルファフライと違って、ズームテンポは前述のようにズームXとリアクトです。
青の囲みがリアクト、赤の囲みがズームXです。
ズームXの方が反発性が強く、リアクトの方が耐久性と安定性が高いため、このような配置がされていると思われます。
つまり前足部は反発性を重視し、後足部は耐久性と安定性を重視しています。
また、前足部についたエアズームポッドにより反発性をさらに高めています。
エアズームテンポ ネクスト% アウトソール
アウトソールには前だけでなく後ろにもラバーがついており、グリップや安定感は高いです。
こちらもアルファフライ(右)と比べてみます。
アルファフライは前足部に空洞や段差がありましたが、ズームテンポには空洞がなく、中足部との境目も滑らかです。
また、後足部にもラバーがついている分、アルファフライと比べるとかかとで着地した場合の安定感ははるかに上です。
前足部と中足部が滑らかにつながっている感じは、このアングルがわかりやすいと思います。
エアズームテンポ ネクスト% サイズ感
初めて履くと、この履き口の部分が非常にキツく感じます。
アルファフライも同様に履き口が非常にキツいため、履くのに苦労をしました。
ただ、足の甲側にも輪っかのついているアルファフライと違って、ついていないズームテンポの方が履くのに苦労します。
しかし、何度か履いているとこのキツさはなくなり、足に馴染んできます。
履き口がキツいからといってサイズは上げない方がおすすめです。
サイズ感自体は決して小さめではありません。
むしろ、つま先部分には少し余裕があるように思います。
ただし、幅は意外とやや狭目なので、幅広の方は合わないかもしれません。
エアズームテンポ ネクスト% 使用レビュー
前足部の感触はアルファフライとかなり似ています。
エアズームポッドに乗る感覚は、歩きでもわかります。
アルファフライとの大きな違いはかかとの感覚です。
ズームXでグニャグニャするアルファフライと違ってズームテンポは硬さがあるため、かかと着地でも安定感があります。
また、前足部・中足部・後足部の分かれ目が滑らかなため、中足部や後足部で着地しても滑らかに前足部のエアズームポッドに重心を移動できます。
かかとから着地してしまうと柔らかいクッションによりエネルギーが横ブレしてしまうため、絶対的にフォアフットが求められるアルファフライと違う点です。
とはいえ、ズームテンポでもフォアフットが望ましいのは確かです。
いずれアルファフライを履きたい人がズームテンポでフォアフットの練習をするのも有効です。
前足部の感触がアルファフライと似ていると書きましたが、反発性もアルファフライにひけをとりません。
重さはアルファフライに比べるとかなりありますが、実際に履いてみてその重さは感じないほどです。
また、似たような重さ・フォルム・用途であるズームフライ3と比べてみても重さは軽く、反発性も高く感じます。
ズームフライ3よりスペックで劣っている点はカーボンプレートでなく合成プレートであるところですが、エアズームポッドの反発性が高いため、そこは気になりません。
リアクトを使って耐久性を増していることもあってかトレーニングモデルという位置付けのシューズですが、充分にレース用としても使用できます。
個人的にはヴェイパーフライネクスト%より良いと思います。
なお、実際に1,000mをTTで走ってみました。
結果はこちらです。
このタイムはアルファフライで行った時より1.0秒遅いですが、ヴェイパーフライネクスト%で行った時より2.4秒速いです。
TTを行った時期は2ヶ月ほど違うので単純比較はできませんが、気温35度の猛暑の中で行った今回が、良い条件ではないのは確かです。
なお、アルファフライ・ヴェイパーフライの機能比較で1,000mTTを行った結果は「ナイキ厚底対決!アルファフライVSヴェイパーフライ徹底比較」でまとめていますのでよろしければ参照してください。
まとめ
まずは基本スペックのまとめです。
重さ:26.5cm 257g
アッパー:フライニット
ミッドソール:ズームX+リアクト+合成プレート
ズームエア:前足部(エアズームポッド)
その他の特徴や個人的感想です。
・アルファフライ並の反発性がある
・フォアフットが望ましいが、ミッドフット・リアフットでも充分使える
・重さは感じない
その他のナイキのランニングシューズのシリーズについては「ナイキ ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください。