アディゼロタクミセン10は、5キロから15キロ、駅伝やハーフマラソンといったフルマラソンより短い距離のロードレースでパフォーマンスを発揮する、軽量レーシングモデルです。
発売日は2023年12月1日で、定価は税込で22,000円と前作より1,100円高くなりましたが、スペックや特徴がどう変わったかを中心に説明いたします。
アディゼロ タクミセン10 重さ
26.5cmで187gです。
こちらは前作のタクミセン9です。
7gほど重くなりました。
アディゼロ タクミセン10 アッパー
アッパーはリサイクルメッシュです。
前作はライトウェイトストレッチモノメッシュという極薄で硬めのアッパーでしたが、やや柔らかくなりました。
自分は全く問題ありませんでしたが、前作のアッパーは破れやすいという評判もあったため、破れにくく強化されたように思えます。
前作の方が硬くて編み目が細かく、今作の方が柔らかくて編み目が大きめです。
ただし、柔らかくなったと言っても伸縮性はあまりありません。
アディゼロ タクミセン10 シュータン
シュータンはもともとペラペラでしたが、前作は樹脂で加工されていました。
これによって自分は足の甲を傷めることが多かったので、今作はただのペラペラのシュータンになったことがかなりプラスな変更点です。
アディゼロ タクミセン10 ミッドソール
ミッドソール素材はライトストライクプロです。
厚さはヒールが33mm、前足部が27mmで、前作からの変更はありません。
変更されたのは内蔵されたグラスファイバー製の5本指バー「エナジーロッド」です。
前作は前足部から中足部まででしたが、今作ではフルレングスで搭載され、エナジーロッド2.0という名称になりました。
ちなみにアディオスプロ3に搭載されているカーボンバーもエナジーロッド2.0です。
エナジーロッドとエナジーロッド2.0の違いは、前足部から中足部までの短いタイプかフルレングスかという形状に関する点で、カーボン製かグラスファイバー製かという素材については不問です。
アディオスプロ3のエナジーロッド2.0はカーボン製、タクミセン10のエナジーロッド2.0はグラスファイバー製です。
アディゼロ タクミセン10 アウトソール
アウトソールは前作から変更されてます。
しかし、基本設計は似ています。
外側部分には軽量でグリップ性の高い「ライトウェイトテキスタイルラバー」、前足部の内側にはグリップ性と耐久性の高い「コンチネンタルラバー」が搭載されています。
アディゼロ タクミセン10 かかと部
かかと部分は前作同様ヒールカウンターがなく、フニャフニャしています。
前作も同じようにカウンターのないフニャフニャしたヒールでしたが、ホールド感は甘くなったように感じます。
そのぶん、高さを出して抜けづらくしているようです。
かかとのホールドの甘さは若干気になるものの、心配した抜け感までは感じられませんでした。
アディゼロ タクミセン10 走行感
足裏の感触は柔らかいにも関わらず沈み込む感覚もほとんどないので、反発が帰ってくるのも早く感じられます。
沈み込みが少ないため安定感も高く、グリップ性はナイキなどの他ブランドと比べてもかなり高いのが特徴です。
前作のタクミセン9と比べると履き心地は大きく変わりませんが、エナジーロッドがフルレングスになったために屈曲性は弱まりました。
前作も前足部から中足部まではエナジーロッドが入っていましたが、この部分の屈曲性も明らかに異なり、今作ではあまり屈曲しなくなりました。
そのため、シューズを屈曲させて蹴る走り向きだった前作に対し、今作では面で着いて反発を得るような走りの方が向いているように思います。
タイプとしてはアディオスプロ3に寄った感じです。
厚底慣れしているランナーにとっては今作の方が扱いやすいと思いますが、5kmや10kmなどの比較的短い距離には前作の方が適正が高いです。
また、前作も適正距離も言われる5km〜10kmを超えても充分対応できるシューズでしたが、今作ではより長い距離向きになったと思います。
アディゼロ タクミセン10 まとめ
アディゼロタクミセン10のスペックや特徴をまとめると以下の通りです。
・重さ:26.5cm187g
・ソールの厚さ:33mm(ヒール33mm/前足部27mm)
・ミッドソール:Lightstrike PRO(ライトストライクプロ)+EnergyRods 2.0(エナジーロッド2.0)
・軽量で反発性が強くグリップ性も高い(他ブランドと比較してもトップレベル)
・カーボンプレート入りシューズより屈曲するが、前作より曲がらない
・適距離とされる5〜10kmより長距離も充分対応可能
前作タクミセン9と今作タクミセン10のどちらがいいかという点について、個人的には以下のように感じています。
・シュータン(前作は甲を怪我してしまうため)
・アッパー(破けにくい)
・反発性(フルレングスになったエナジーロッドによる)
・軽量さ(7gほど軽い)
・かかとのホールド(特に良いわけではないが、今作より良い)
・屈曲性(反発はそのぶん落ちるが、薄底シューズのような操作性)
その他のアディダスのランニングシューズに関しては、「アディダス ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください。
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