VO2MAXは最大酸素摂取量とも言われる指標です。
Vは量(volume)、O2は酸素(oxygen)、MAXは最大値(maximum)を意味します。
1分間にどれだけ多くの酸素を体内に取り込むことができるかを表し、単位はml/kg/minuteです。
一般男性の平均は40ml/kg/minute程度で、サブフォーランナーなら50ml/kg/minute、サブスリーランナーで60ml/kg/minute、一流アスリートとなると80ml/kg/minute以上くらいが目安となります。
では、自分のVO2MAXの値を調べる3つの方法をご紹介します。
・専門施設で計測する
・12分間走から算出する
・ガーミンで自動計測する
順に説明します。
VO2MAXを知る方法①専門施設で計測する
VO2MAXの正確な値を知る唯一の方法は、専門施設で計測する方法です。
このような測定用のマスクをつけ、トレッドミルにて全力で走って測定します。
専門施設にはスポーツサイエンスラボなどがありますが、結構料金は高いので、本格的に測りたい人以外はおすすめできない方法です。
VO2MAXを知る方法②12分間走から算出する
こちらはわりとお手軽にできる方法です。
12分間全力で走った距離を計測し、以下の式に当てはめるだけです。
「12分間の走行距離」(メートル)×0.021-6.61
実際にやってみたところ、3,520mでした。
これを式に当てはめると、3,520×0.021-6.61=67.31となります。
VO2MAXを知る方法③ガーミンで自動計測する
さらにお手軽な方法です。
ガーミンの心拍計つきのモデルであればVO2MAXが計測できます。
走ったペースからの心拍数の変動などにより、VO2MAXの推定値を算出してくれます。
この方法は最も簡単ですが、最も正確性には欠ける印象です。
ガーミン計測によると、私のVO2MAXはこんなものです。
12分間走の値とは大きく異なりますが、サブスリーランナーでこれだけ低い値はあまり考えられません。
そのため、どちらかと言うと12分間走の方が近いのではないかと思えます。
VO2MAXが高いことのメリット
VO2MAXとは、前述したように1分間にどれだけ体内に酸素を取り込めるかという数値です。
この値が高いということは、より多くの酸素を体内に取り込めることを意味します。
では、なぜ酸素を取り込むことが重要かという点について説明します。
運動する時のエネルギーは主に糖と脂肪です。
しかし、これらは勝手にエネルギーになるのではなく、エネルギー化させるために酸素が必要になるのです。
酸素を必要としない、瞬発系の運動を無酸素運動と言いますが、長距離走などの有酸素運動には、酸素の取り込み量が重要となるわけです。
VO2MAXの値が高くなると、3〜5分間走が速くなると言われています。
距離にすると1km〜1.5kmくらいですが、このくらいの短い距離が速くなることでマラソンのペースの余裕度が大きく変わるため、結果的にマラソンのタイム向上につながります。
VO2MAXを上げる練習方法
では、VO2MAXを上げるためにはどんな練習をすれば良いかという点について説明します。
これはジャック・ダニエルズ博士の理論によると、3〜5分間走を3〜5本繰り返すのが良いとされています。
3〜5分間となると距離にすると1,000mくらいがちょうど良いでしょうか。
本数は3〜5本ということですが、3本はちょっと少ない気がします。中・上級者であれば5本が一般的です。
1,000m×5本はインターバルの王道メニューですが、これはVO2MAXを上げるための練習として理にかなっていると言えます。
また、もう一つよく行われる定番メニューとして400mのインターバルもあります。
400mでは疾走時間は短くなりますが、10〜15本行うことで1,000mインターバルと同程度の疾走区間を確保できます。
また、レストの時間も1,000mインターバルより短くすることで、より効果が高まります。
一方で2,000〜3,000mを3〜5本行うようなロングインターバルは、VO2MAXの向上よりLT値の向上を目指したトレーニングとなります。
・1,000m×5インターバル
・400m×10インターバル
まとめ
VO2MAXはマラソンの走力を決める3大要素の1つで、重要な指標です。
3大要素は以下の3つです。
①VO2MAX(最大酸素摂取量)
②LT値(乳酸性作業閾値)
③ランニングエコノミー
LT値についてはAT値や閾値(いきち・しきいち)とも呼ばれたりします。
こちらについては「ATペース走・LTペース走・閾値走 それぞれの意味と違いとは?」の記事で解説しています。
ランニングエコノミーについては筋肉や循環器、ランニングフォームやエネルギー代謝など、様々な要因が関わってきますが、こちらについては「ランニングエコノミーを決める4つの要素と改善方法とは?」で解説しています。