スパイク履くと厚底より速く走れる?数値検証してみた結果は!?
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トラックの公認レースでは12月1日以降、厚底が完全に禁止となり、ヴェイパーフライやアルファフライなどの厚底シューズが使用できなくなります。

市民ランナー向けの非公認大会では引き続き厚底シューズも使える見込みですが、中には厚底シューズで出した記録は「厚底」と明記されたりということも大会によってはあるようです。

では、厚底ランニングシューズとスパイクは、どちらが高いパフォーマンスを発揮できるでしょうか?

よりはっきりとスパイクの効果が出やすいと思われる200mを全力で走って検証してみました。

スパイクと厚底を履いて走った結果比較

こちらがまず、スパイクを履いて計ったタイムです。

使用したスパイクはナイキの「ズーム400」という400m向けのスパイクです。

そしてこちらは厚底「アルファフライ」を履いて走った結果です。

なんとアルファフライの方が0.6秒も速いという予想外の衝撃結果となりました。

本来なら200mではさすがにスパイクの方が速いけど、長距離だったらどうでしょうかという話を書く予定でした。

どうしてこうなったかの考察については後述しますが、まずはスパイクのメリット・デメリットについて考えたいと思います。

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スパイクを履くメリット

スパイクを履くメリットの1つ目は、グリップが良いことです。

スパイクにはピンがついているので容易に想像はできると思いますが、グリップが効きやすいので、しっかり蹴って前に進むことができます。

もう1つのメリットは、軽いのでピッチが回りやすいという点です。

通常のスパイクはミッドソールがないまたは極薄のため、ピンをつけてもランニングシューズより軽量です。

そのため足を回しやすいというメリットがあります。

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スパイクを履くデメリット

スパイクを履くデメリットはクッションがないので疲れるという点です。

これが唯一にして絶対的に大きいデメリットです。

ランニングシューズには少なからずクッション性を持たせるためミッドソールがありますが、スパイクはないか非常に薄いかです。

スパイクと厚底で走った結果考察

当初は200mではスパイクの方が速かったけど1,000mだったらどうかというような検証もする予定でした。

しかし、200mも厚底アルファフライに軍配が上がってしまったわけですが、大きな理由として、200m走をスタートダッシュから計ったのではなく、加速走で走ったからではないかと思います。

加速走とは、スタートまでに助走をつけて入り、スタートラインを踏んだ時点で時計をスタートさせる方法です。

スパイクのメリットであるグリップの良さは、スタート時点に最も発揮されます。

加速してない状態から加速するのは、重量もありグリップもスパイクほどないアルファフライより、軽量でグリップ力の高いスパイクの方が良いのは明らかです。

ランニングダイナミクスデータは上手くとれなかったので、推測ですが、厚底「アルファフライ」とスパイク「ズームX」はこのような感じになっていたと思われます。

アルファフライのランニングダイナミクス推定

ストライド:176cm
ピッチ230spm

ズーム400のランニングダイナミクス推定

ストライド:170cm
ピッチ234spm

普段の自分の走り方から推察するとざっくりこんな感じです。

一見どっちが速いかわかりにくいですが、ピッチは遅くともストライドが長いアルファフライの方が3〜4mくらい前でゴールすると思います。

加速走でなく、スタートダッシュで計ったら、走破タイムは逆転の可能性が高いと思いますが、それはまた実験したいと思います。

[まとめ]スパイクと厚底どっちがいい?

では結局のところ、スパイクと厚底のどっちで走ったらいいかという問題です。

圧倒的に大多数の人は、スタートの重要性が低くなる800m以上であれば厚底の方が良いかと思います。

私自身は短距離から長距離までやっているため、短距離を走る筋力はかなりあるタイプですが、それでも厚底の方が良いと思います。

中距離や長距離は使用するスパイク自体も違いますが、それなりの筋力が備わってない人に使いこなすのは難しいです。

実際に日本のトップレベルでも5,000mや10,000mでは厚底派が多く、世界のトップレベルで見るとスパイクしかいないという具合です。

今後は公認レースでは否応なくスパイク着用となりますが、市民ランナーの非公認レースであれば、よほどの実力者でない限り厚底の方が良いのではないかというのが私の見解です。

もう一度スパイクのメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

スパイクを履くメリットとデメリット

◯グリップが良いので前への推進力を生み出しやすい
◯軽量なのでピッチを速く回しやすい
✖️クッションがないので疲れやすい

結論として、デメリットを上回る距離のレースや個人の特性を持っていればスパイクが良いですが、800m以上の距離ではかなりの実力者でないと難しいということです。

なお、トラックの厚底禁止問題についての詳細は[厚底禁止]トラック公認大会で使用できるランニングシューズは?の記事を参照してください。

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