プロテインとアミノ酸の違いって?栄養戦略エルゴジェニックとは?

疲労回復にはアミノ酸が良いという話を聞いたことがないでしょうか?

ランナーならランニング中に飲むサプリやアミノバリューなどのドリンクでもお馴染みだと思います。

タンパク質はアミノ酸がつながってできており、タンパク質を英語で言うとプロテインです。

では、プロテインとアミノ酸の違いとはなんでしょうか?

プロテインは、牛乳や大豆などの食品のタンパク質から脂質などを取り除き、タンパク質の純度を高めたもので、身体づくりなどを目的に利用されます。

アミノ酸は、タンパク質の最小単位で、運動時の疲労回復などの即効性を求めて利用されます。

作用の違いは吸収速度の違いに理由があります。

タンパク質を摂取すると、胃を通って消化・分解され、小腸で吸収されます。

その間にタンパク質は体内酵素の働きなどでアミノ酸の結合が切れて、ペプチドというアミノ酸が数個つながった状態まで分解されていきます。

ペプチドの状態、またはアミノ酸まで分解された状態で小腸から体内に吸収され、最終的にはアミノ酸になり、血液によって筋肉まで運ばれていくのです。

消化・吸収にかかる時間は食品によって違い、肉など脂質の多いものは胃や小腸で時間をかけて消化・吸収されます。

プロテインは脂質が取り除かれているため、食品から摂るタンパク質より吸収は早いです。

さらにアミノ酸は最小単位であるため、より早く吸収されます。

では、タンパク質はそもそもアミノ酸で摂ればいいのでは?と思うかもしれません。

しかし、身体を構成するのは20種類のアミノ酸です。そのうち11種類は体内でも生成できる非必須アミノ酸ですが、残りの9種類の必須アミノ酸は食品から摂取するしかありません。

これだけの種類のアミノ酸をバランスよく摂取するのは難しい上に費用もかなりかかりますのでおすすめできません。

また、消化・吸収が早い分、一度にたくさん摂るとお腹を壊してしまうこともあるので注意が必要です。

アミノ酸は目的に合わせて摂取することが重要です。特定のアミノ酸を特定の目的で摂取する栄養戦略を「エルゴジェニック」と言います。

次の章ではエルゴジェニックに主に使われる4種類のアミノ酸について説明いたします。

総合型アミノ酸

アミノ酸を混合したサプリで、必須アミノ酸をブレンドした商品や、特定の効果を期待した配合で作られたものなど目的も形態も様々です。

運動前なら疲労の軽減や体脂肪の燃焼、運動後ならリカバリーを早める効果が期待できるものなどが多いです。

BCAA

必須アミノ酸の中でもバリン・ロイシン・イソロイシンの3つを総称してBCAA(分岐鎖アミノ酸)と言います。

筋肉づくりに果たすBCAAの役割は大きく、運動中に分解される量も多いため、分解を防ぐために摂るのが目的の一つです。

また、BCAAは脳に作用し、疲労感を抑制する効果もあるので、疲労軽減のために摂るのがもう一つの目的です。

運動前や運動中に顆粒やドリンクで摂取するのが一般的です。

フルマラソンであればレース前・レース中に必ず意識して摂っておくべきものだと思います。

私の最もおすすめするのは「シトリックアミノ アルティメイト エボリューション」というパウダー状のサプリです。おすすめの理由はBCAAの圧倒的な含有量です。

私はフルのレース直前(30分くらい前)には必ず飲んでいます。本当はレース中にも摂取したいのですが、パウダーなので飲みにくいのが欠点です。

グルタミン

生体内に最も多く含まれるアミノ酸です。

免疫力に関係があり、運動後の免疫力低下時に摂取するのが効果的です。

ペプチド

アミノ酸が数個つながった状態のもので、50個以上つながったものがたんぱく質、2個以上50個未満のものをペプチドと一般的に言います。

アミノ酸が2〜3個つながったペプチドは摂取してからの消化吸収がプロテインより早いため、プロテインの代わりに運動後に摂ることで速やかなリカバリーの促進ができたり、筋疲労の軽減が期待できます。

まとめ

アミノ酸とは、たんぱく質の最小単位であり、アミノ酸が数個つながったものがペプチド、50個以上つながったものがたんぱく質であり、プロテインです。

プロテインは脂質が取り除かれている分、食品のたんぱく質より吸収はよく、吸収の早い順にアミノ酸←ペプチド←プロテイン←食品たんぱく質です。

アミノ酸は20種類あり、全てが人間に必要なものですが、そのうち11種類は体内で生成できる非必須アミノ酸、残りの9種類は食品から摂取するしかない必須アミノ酸で、必須アミノ酸の中でも重要なのがBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)です。

アミノ酸やタンパク質について、これらのことを知った上で栄養戦略をとっていきましょう。

タンパク質については「タンパク質の摂取方法3つのポイントと良質なタンパク質とは?」で詳しく書いていますので、よろしければ参考にしてください。

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