アウトソールには大きく分けてフラットソールとセパレートソールがあります。
フラットソールはつま先部分からかかと部分までがつながるようにフラットであり、セパレートソールは前足部・中足部・後足部と分かれており、中足部が少し窪んでいます。
ミッドソールやアッパーなど、他の作りにも影響する部分は多いですが、アウトソールの形状によってそれぞれのメリット・デメリットがあったり、向いた走法があるのも事実です。
それぞれのソールについての特徴をまとめるとこんな感じです。
・安定性がある
・足への負担が少ない
・スピードを出しにくい
・ピッチ走法向き
・ミッドフット走法向き
・スピードを出しやすい
・重心移動がしやすい
・1ヶ所に負担がかかりやすい
・ストライド走法向き
・フォアフット走法&ヒールストライク走法向き
順に解説いたします。
フラットソールのメリット・デメリット
フラットソールのメリットは安定性があることと足への負担が少ないことです。
ソールがフラットであると、どこで着地しても安定感があり、足裏全体で地面を捉えやすいため、足への負担が分散されます。
逆にフラットソールのデメリットはスピードを出しにくい点です。
グリップ力や屈曲性はセパレートソールより劣る場合が多く、地面を蹴って進もうとする反発力を活かしづらい構造です。
セパレートソールのメリット・デメリット
セパレートソールのメリットはスピードを出しやすいことと重心移動がしやすいことです。
フラットソールよりグリップ力や屈曲性を活かしやすいため、地面からの反発力を得やすい構造になっています。
また、屈曲性があることから重心移動がしやすいという特徴もあります。
逆にセパレートソールのデメリットは足の1ヶ所に負担がかかりやすいという点です。
足裏全体という面でなく点で地面を捉えることになるため、フラットソールよりも負担がかかりやすいと言えます。
フラットソールに向いた走法
フラットソールに向いた走法はピッチ走法かつミッドフット走法です。
ピッチ走法はストライド走法ほど反発を必要としないため、足離れの良いフラットソールの方が向いています。
また、着地の位置はフォアフットやヒールストライクよりミッドフットが向いています。
これはフラットソールは面で地面を捉える性質があるため、つま先やかかとから着地するより真ん中で地面を捉えた方が、より滑らかに重心移動ができるからです。
セパレートソールに向いた走法
フラットソールに向いた走法はストライド走法かつフォアフット走法またはヒールストライク走法です。
ストライド走法は反発を必要とするため、グリップが良く屈曲させやすいセパレートソールが向いています。
また、着地の位置はミッドフットよりフォアフットやヒールストライクの方が向いています。
セパレートソールは土踏まずの部分がつま先やかかとより上がっているため、真ん中だと地面を捉えにくく、かかとから着地してもスムーズに前足部まで重心移動ができるからです。
着地がフォアフットであればなおさら向いているのは説明するまでもないでしょう。
フラットソールのシューズ例
こちらはナイキ ズームストリーク7です。
真ん中が開いていますが、アウトソールはフラットで、典型的なミッドフット走法かつピッチ走法向けのシューズです。
こちらは左からズームペガサス36、ズームボメロ14、ズームストラクチャー22です。
いずれも初心者用のナイキのランニングシューズですが、前後ではなく左右で分かれているフラットソールです。
こういうタイプは通常セパレートソールとは言いません。
真ん中の切れ込みは、足の外側から着地して内側に抜けるよう設計されたガイドライン的な役割を果たします。
こちらはナイキ ヴェイパーフライ4%フライニットです。
アウトソールはフラットですが、カーボンプレート内蔵のため反発力が非常に強いこともあり、フォアフット走法かつストライド走法の方が向いています。
その他、フラットソールのシューズは非常に数が多く、初心者向けのシューズはたいていフラットソールと言えます。
セパレートソールのシューズ例
こちらはナイキ ズームストリークLT4です。
ズームストリーク7がフラットなのに対してズームストリークLT4はセパレートソールです。
このシューズは26.5cmでわずか140gというナイキ最軽量のシューズです。
このレベルのシューズであれば、かかと着地に対応してないと思いきや、かかとにズームエアが入っており、かかとから着地してもスムーズに体重移動ができるシューズです。
こちらはナイキ アルファフライネクスト%です。
ここまではっきりと前足部が分かれているシューズはなかなか珍しいです。
使いこなすには、前足部についたズームエアポッドで着地する必要があります。
こちらはナイキ ズームテンポ ネクスト%です。
アルファフライと同じく前足部にズームエアポッドがついていますが、アルファフライほど独立していません。
横から見てもこんな具合です。
こちらも前足部で着地するのがベストですが、後足部で着地することも想定したラバーがついており、ヒールストライクでもスムーズに重心移動ができます。
加えて中足部で着地してもズームエアポッドに乗る感覚があるため、ミッドフット走法にも対応できます。
このあたりが絶対的に前足部着地が求められるアルファフライと違って、どんな走法にも対応できるズームテンポとの大きな違いです。
まとめ
以上、フラットソールとセパレートソールの一般的なメリットやデメリットを挙げました。
しかし、向き不向きについては具体例にも挙げたように、アウトソールだけでの判断は微妙です。
合う合わないについては、アウトソールよりどちらかと言うとミッドソールによるところの方が大きいと私は思います。
アッパーやプレートの有無やドロップ差など、様々な要素も関係しますので、アウトソールによるシューズの向き不向きは参考程度にとどめておくことをおすすめいたします。
なお、各社のミッドソールについて以下の記事で比較レビューしていますので、よろしければ参照してください。