厚底のヴェイパーフライ、超厚底のアルファフライに注目が集まるナイキから、今度は怪我ゼロを目指すというコンセプトシューズ「リアクト インフィニティ ラン」が発売されました。
名前の通り、ナイキのミッドソール素材である「リアクト」を使ったシューズのシリーズです。
ナイキでは「ズームX」や「ズームエア」を軸にした、ズームランニングシューズシリーズがシリアスランニングシューズの王道ですが、そのズームシリーズとは異なります。
リアクトシリーズのランニングシューズは、過去にオデッセイリアクトやエピックリアクトが販売されていましたが、それらの後継版と言えるようなシューズです。
オデッセイもエピックも2が発売されていましたが、両方の3代目にあたるシューズと言えそうです。
ここでは、それらと比較しながらリアクトインフィニティランフライニットのレビューをしていきます。
リアクトインフィニティランフライニット 重さ
26.5cmで263gです。怪我の発生率減少について比較対象となったズームストラクチャー22が278gなので、こちらの方が若干軽いです。
私がジョグ用シューズとして愛用しているズームペガサス36・ズームボメロ14がそれぞれ252g、265gなのでジョグ用シューズとしては通常レベルの重さです。
なお、オデッセイリアクト2フライニットは26.5cmで229g、エピックリアクトフライニット2は26.5cmで222gです。
後述しますが、3層になったアッパーと増量したリアクトの分だけ重くなりました。
リアクトインフィニティランフライニット アッパー
メッシュのようにも見えるアッパーですが、フライニットを3層に重ねた構造で、汗や雨を吸収しやすいというフライニットの欠点を補ったようです。
白いシューズですが、薄っすらピンクがかっているのがおしゃれなところで、これは中の層のフライニットの色が透けて見えているものと思われます。
3層にすることで汗や雨を吸収しやすい欠点を補ったとのことで、少し撥水性があります。
ただし、その分通気性は落ちていますので、暑い時期には熱がこもりそうです。
また、フライニットは伸縮性があるのが特徴ですが、3層になっているせいか、インフィニティランのフライニットには伸縮性があまりないです。
リアクトインフィニティランフライニット ミッドソール
リアクトインフィニティという名前の通り、ミッドソール素材はリアクトです。
ズームエアは入っていません。
エピックリアクトより24%リアクトフォームを増量したとのことで、やはり厚底です。
左がオデッセイリアクト2フライニット、真ん中がエピックリアクトフライニット2、右がリアクトインフィニティランです。
これだけ見るとミッドソールの厚み自体はあまり変わらなそうです。
しかし、横幅は広がった感があります。
インソールよりはみ出るようにミッドソールがあり、これが横ブレを防止しているようです。
また、つま先部分とかかと部分がせり上がり、ロッキングチェアのような構造になっています。
リアクトインフィニティランフライニット アウトソール
黒い部分は硬く、白い部分はリアクトフォームで柔らかいです。
リアクト部分が溝になっているようでグリップはなかなかあります。
左がオデッセイリアクト2フライニット、真ん中がエピックリアクトフライニット2、右がリアクトインフィニティランです。
真ん中のエピックリアクトはリアクトフォーム剥き出しの部分(白いところ)が多いため、最も耐久性がなさそうです。
走行距離は100kmにも満たないくらいなのですが、中前部の外側が擦れてきています。
リアクトフォームは、ミッドソールのクッション自体の耐久性は高いので、ちょっともったいないところです。
それに比べると左のオデッセイリアクトは、走行距離は同程度ながら擦り減りが少ないです。
これはリアクト剥き出し部分が少ないからだと思いますが、リアクトインフィニティランはもっと少ないので耐久性はさらに高そうです。
また、アウトソールの形状は独特ですが、溝がたくさんあるためか、この中では一番グリップ感を感じられます。
とはいえ、そこまでグリップの良いシューズとは言えません。
リアクトインフィニティランフライニット サイズ感
サイズ感も他のナイキのシューズと同様で、26.5cmでぴったりです。(ナイキは全て26.5cmを着用しています。)
ただし、アーチが高くなっているのか土踏まずのあたりを押し上げてくれるような感じがするので、扁平足の人はややきつく感じる人かもしれません。
また、シューズの横幅は広くなっていますが、広くなったのはミッドソール部分で、インソールは変わらなそうです。
リアクトインフィニティランフライニット 使用レビュー
まずは足を入れてみた感じですが、非常にフィット感が良いです。足首周りもしっかりホールドされてブレません。
しかし、かかとのところが硬いため、ショート丈のソックスだと、かかとが当たる感じがします。
そして実際に走ってみた感じですが、意外にもオデッセイリアクトやエピックリアクトほどグニャっと沈み込む感じがありません。
そのオデッセイとエピックは、リアクト特有の沈み込む感じが強いシューズでした。
クッションは良いものの、コンセプトである「ふわ・かる・びよーん」のびよーんの部分を感じるにはある程度の速さが必要でした。
インフィニティランではそれらよりリアクトを24%増量しているため、おそらくこの沈み込みの感じがより強いのだろうと考えていましたが、そうではありませんでした。
ミッドソールの章でも書いたように、厚さ自体はあまり変わらなそうです。
前述したように横に広がったというのもありますが、リアクトの密度が高くなったのではないかと思います。
そのおかげでクッションはしっかりありながらもしっかり反発力もあり、自然と前に進む力も与えてくれます。
また、ミッドソールの横幅が広いためか横ブレしにくく、急カーブを曲がる場合もスムーズです。
用途としてはジョグが中心ですが、デザインも良いため普段履きにも良いです。
中上級者には、スピード練習やレースに使うのは難しそうですが、初心者にはこれ1足あれば何にでも使えるようなシューズに思えます。
まとめ
まずは基本スペックのまとめです。
重さ:26.5cm 263g
アッパー:フライニット(3層)
ミッドソール:リアクト
ズームエア:なし
その他の特徴や個人的感想です。
・横ブレしにくい
・クッション性はもちろん高いが、反発性もわりとある
・過去のリアクトシューズより「びよーん」感が強い
なお、もともと怪我をしづらい私にとって、このシューズで本当に怪我しないかどうかはよくわかりません。
その他のナイキのランニングシューズのシリーズについては「ナイキ ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください。