朝起きてすぐの時間は、常識的な時間に夜ご飯を食べている人なら、一日のうちで最も体内に糖質(グリコーゲン)が少ない状態です。
そのため、朝起きてから朝ご飯を食べる前に走り出せば、エネルギー枯渇状態を早めに作り出すことができ、脂肪燃焼効果を高めることができます。
脂肪を燃焼させれば当然痩せる効果もありますが、フルマラソンが速く走れることも期待できます。
以下、そのメカニズムと実際に私が行った方法、走り終わった後の注意点を記載します。
エネルギー燃焼効率の改善
運動するために使われるエネルギーは主に糖質(グリコーゲン)と脂肪の2つですが、通常は糖質が先に使われ、枯渇すると脂肪が使われます。
フルマラソンを走り切るためには糖質だけでは足りません。30km以降にエネルギー切れで失速するランナーが多いのは、糖質が切れてしまっているためです。
糖質が切れたからといって誰でもすぐに脂肪をエネルギーにできるわけでなく、これには訓練が要ります。
そのために多くの市民ランナーが取り入れている方法が30km走です。
30kmを行うことにより、上手く脂肪をエネルギーにできる身体を作るわけです。
すぐに枯渇する糖質と違い、枯渇することがない脂肪をエネルギーにすることはマラソンにとってもダイエットにとってもいいことで、トップランナーは脂肪をエネルギーにする力が優れているとも言えます。
元世界記録保持者のハイレ・ゲブレセラシエ選手はレース序盤から脂肪をエネルギーにする能力が高かったそうです。
つまり、普段から脂肪を燃焼させる効果を高めておくことでフルマラソンのレース中も序盤から糖を節約し、脂肪をエネルギーに変える効果が高まるというわけです。
どのくらい走ればいいか?
サブスリーランナーの私が週に5日程度の朝飯前ランニングを1カ月行っただけで体重は約2kg落ちました。
朝飯前ランを始めた時期はすでに暑かったこともあり、ペースはキロ6分、距離はわずか10km程度です。
これだけで速くなるとは言えませんが、少なくともダイエット効果は抜群でした。
そして冬場には週一で25km以上を目安に走るようにします。
感覚的にはご飯を食べた後なら30kmでバテるポイントが、朝ご飯前だと5km手前になります。
おすすめとしては、速くなくて良いので長時間走ることです。
スピード練習はきちんとエネルギーを摂った状態で行いましょう。
あくまでも朝飯前ランの目的は、脂肪を燃焼させやすい身体作りです。
走り終わったあとは?
可能なら30分以内、遅くても1時間以内に朝ご飯を食べるのがおすすめです。
朝練に限らず言えることですが、早めに補給することは大事です。
走ってから何も食べずに寝て「痩せた」と考える人もいるようですが、これは大間違いです。
この間隔が空けば空くほど余分に吸収し、エネルギーを溜め込みやすく太りやすい身体になってしまいます。
エネルギーが枯渇状態の時、すぐに補給をしないと脳が危険を察知し、ようやく摂ってもらったエネルギーを溜め込もうとするため、代謝が悪くなり太りやすい身体になるのです。
せっかく脂肪を燃焼させやすい身体になるはずだったのが、まるで逆効果になってしまいます。
そのため、トレーニング後は必ず補給をすること(特にタンパク質と糖質)をおすすめします。
すぐに食べることが難しい場合は、プロテインを飲むのが栄養素的にも効果的です。
まとめ
以上の理由で朝飯前ランニングはダイエットのためにもフルマラソンを速く走るためにも有効な手段です。
また、10km程度のランニングであれば脳が活性化するというメリットもあります。
私もなかなか朝が弱く起きられませんでしたが、習慣化してしまえば難しいことではありませんでした。
レースも通常は朝早いのですから、普段から朝ランに慣れておくことをおすすめいたします。
なお、朝に限らずゆっくり長く走ることは結果的に速く走れるようになることにもつながります。
詳しくは「ゆっくり走れば速くなる?LSDの3つの効果と3つの注意点とは?」の記事をご覧ください。
また、脂肪燃焼効果を高めるポイントは他にもあります。
詳しくは「ランニングによる脂肪燃焼効果を高める5つのポイントとは?」の記事を参照してください。