練習を積めているのに思うように走ることができないということはないでしょうか?
私はいわゆるランナー貧血と言われるような状態に陥り、そこから復活した経験があります。
同じような不調に陥っている方にこの記事を読んでいただき復活してもらえればと思います。
私のスランプ状態
まとめるとこんな状態のスランプが1年近く続きました。
常に疲れている(倦怠感がある)
バテるのが早い
呼吸の苦しさより脚が動かなくなるのが早い
貧血であればこれらの症状が出るのはわかるのですが、健康診断の結果は問題なしでした。
疲れているので練習を休むと休んだ分だけ走力が落ち、練習をするとまた疲れが溜まるという悪循環で、試行錯誤しながらもどうしていいかわからない状態でした。
今考えて見ると、健康診断の結果には表れない「ランナー貧血」だったのではないかと思います。
つまり日常生活には支障がないものの、ランナーとしては鉄分が足りないという状態です。
ランナーが貧血に陥りやすい理由
貧血とは簡単に言うと、赤血球数または赤血球中のヘモグロビンが基準値より少ない状態のことです。
赤血球は全身の細胞に酸素を運ぶ働きをしているので、赤血球が不足すると体内の細胞が酸欠状態にります。
症状として、頭痛や眩暈、動悸・息切れ、倦怠感などがあります。
また、一言に貧血と言っても、実はいろいろ種類がありますが、最も多いのは「鉄欠乏症貧血」です。
鉄欠乏症貧血は貧血の7割を占め、その主な原因は以下の3つです。
・鉄分の摂取量不足
・鉄需要の増加(妊娠など)
・出血などによる鉄の排出
しかし、ランナーにはもう一つの理由があります。
それは走ることにより「赤血球を壊すこと」です。
つまり着地の衝撃で赤血球が壊れてしまうのです。
そのため、シリアスランナーほど貧血に陥りやすいと言えます。
貧血の予防・改善のための食事とは?
検査結果で貧血と判断された場合は薬を服用しないと治すのは難しいでしょうが、正常値ながらも数値が低めの人や予防のためであれば食事で改善ができるでしょう。
貧血を予防するにはまず、鉄分の多いものを食べることです。
しかし、鉄は吸収率がとても低いので、意識して摂取しないとなりません。
鉄には種類があり、比較的吸収しやすいヘム鉄を多く含むものは、レバーや赤身の肉や赤身の魚などです。
吸収率は低いけれど貯蔵しやすい非ヘム鉄を多く含むものは、小松菜・ほうれん草・豆類・海藻類・貝類・雑穀類・ドライフルーツなどがあります。
これらは普段の食事から気をつけてとりたい食材です。
また、肉や魚・卵・豆類などのタンパク質を摂ることも大切です。このタンパク質が赤血球を作るからです。
さらにビタミンCやクエン酸を一緒に摂取することで鉄分の吸収をアップさせます。
逆に鉄分の吸収を妨げるのが、コーヒーやお茶、赤ワインなどに含まれるタンニンです。
それらを全部やめる必要はありませんが、意識はしておき、鉄分と一緒に摂らないようにしましょう。
食事以外の鉄分の摂り方
食事だけで十分な鉄分を摂るのは、なかなか考えないと難しいものです。
そこでおすすめなのが、以下の2つの方法です。
・お茶がわりにクエン酸ドリンクを飲む
・サプリメントの摂取
まずはお茶代わりにクエン酸ドリンクを飲むことです。
上記したように、お茶のタンニンは鉄分の吸収を妨げます。
反対にクエン酸は鉄分の吸収を助けるためです。
おすすめは飲みやすい「メダリスト」です。
また、サプリメントのおすすめはグリコの「エキストラオキシアップ」です。
運動前に摂取することが推奨されています。
まとめ
ランナーは非ランナーよりも多くの鉄分を必要としていますが、通常の食事だけで十分な鉄分を摂るのはなかなか困難です。
また、健康診断の結果で貧血ではなかったとしても実際には鉄分が足りていない可能性もあります。
私の不調の要因が鉄分の不足であったか確実にはわからないところですが、これらの改善を行ったことによって、スランプを乗り越えた瞬間にはスランプ前より速く走れるようになりました。
同じ理由でスランプに陥っている方も少なからずいらっしゃると思いますので、鉄分を効果的に摂取するのを意識することをおすすめいたします。
その他、栄養素に関する基礎知識は「5大栄養素と3つの役割とは?【速くなるための栄養学】」の記事でまとめてますので、よろしければご覧ください。