ビルドアップ走とは、徐々にペースを上げて走るトレーニングです。
最初はレースペースより遅いペースから入り、最後にはレースペースより速いペースで走り切るのが一般的なやり方です。
距離やペースに応じてその効果の度合いは変わりますが、効率良く様々な面が鍛えられるトレーニング方法です。
ビルドアップ走で主に得られる効果は以下の3つです。
・レース後半の粘り強さ向上
・スピード持久力の向上
・ATペースの向上
順に解説いたします。
ビルドアップ走の効果①レース後半の粘り強さ向上
徐々にペースを上げて最後まで走り切る練習を続けると、レース後半での粘り強さにつながります。
レースでは練習のように終盤ペースを上げられない可能性もありますが、上げられずとも落ちすぎない粘り強さを身につけられます。
また、序盤の余裕があるうちに飛ばし過ぎない感覚も身につきます。
ビルドアップ走の効果②スピード持久力の向上
ペース走でもスピード持久力は身につきますが、ビルドアップ走も同様です。
適正距離はペース走と同じくらいで10〜30kmで実施するのが一般的です。
ビルドアップ走の効果③ATペースの向上
ATペースとは、決して楽ではないものの無理なくしばらく走り続けられるペースです。
詳しくは「ATペース走・LTペース走・閾値走 それぞれの意味と違いとは?」の記事で書いてますので、ここでの詳細説明は割愛いたします。
このATペースを底上げするのにペース走と並んで有効な練習方法がビルドアップ走です。
ビルドアップ走とペース走の違い
ビルドアップ走は練習効果もペース走に近いと言えます。
メリットとしては、ペースを上げるのがきついと感じた場合、維持することでペース走に変更できることです。
ペース走は走りきれない場合はペースを落とすかやめるかしかありませんが、途中でペースを落とすのは練習効果が薄まってしまうため、ペースを落とさずにやり切れる練習方法としてビルドアップ走はおすすめです。
ビルドアップ走のやり方具体例
ビルドアップ走はレースペースより遅いペースから入ってレースペースより速いペースで終わるのが一般的です。
例えばこれをフルマラソンでサブスリーを目標とする人に当てはめるとこうなります。
①キロ4分30秒で4km
②キロ4分15秒で4km
③キロ4分00秒で4km
①→②→③の順に走って合計12kmです。
サブスリーペースとしては2番目の4分15秒ペースが基準となります。
ただし、この例ではスピードのあるランナーに楽に感じると思います。
明らかに物足りない場合はペースか距離を調整するか、もう1ビルドアップ追加しても良いでしょう。
例えば以下のような例です。
①キロ4分15秒で4km
②キロ4分00秒で4km
③キロ3分50秒で4km
スピードタイプのランナーであれば、最初からレースペースでも良いでしょう。
①キロ4分30秒で6km
②キロ4分15秒で6km
③キロ4分00秒で6km
トータルの距離をこのように長くしても良いでしょう。
①キロ4分30秒で4km
②キロ4分15秒で4km
③キロ4分00秒で4km
④フリーペースで2km
最後にフリーペースを入れることでトータルの距離も走れつつ、限界までペースを上げられるので、集団で競うような練習をする際に最もおすすめです。
まとめ
ビルドアップ走は上級者でも取り入れていない人も多いですが、このように実は汎用性の高い練習方法です。
ペース走で落ちてしまうことが多い人や、レース後半にどうしても落ちてしまう人に特におすすめです。
ペース走やインターバルと絡めて実施することをおすすめいたします。