メタスピードエッジ+は、メタスピードスカイ+とともに発売された、初代メタスピードシリーズのグレードアップモデルです。
オリジナルのメタスピードシリーズは圧倒的にスカイの人気が高かったこともあり、+シリーズが発売されてからもスカイは存続、エッジは廃盤となりました。
ピッチ型ランナー向けというメタスピードエッジ+のコンセプトはエッジから変わらないものの、スペックは大きく変わりました。
そのスペックや特徴をエッジやスカイ+などと比較しながら詳しく説明いたします。
メタスピードエッジ+ 重さ
26cmで197gです。
前作よりかなり重くなりました。
こちらはメタスピードスカイ+です。
前足部のミッドソールがより厚いメタスピードスカイ+と比べても7g重いのですが、その理由は後述します。
メタスピードエッジ+ アッパー
アッパーは前作のエンジニアードメッシュからモーションラップアッパーに変更されました。
これはエンジニアードメッシュにウーヴン素材を混ぜ込んだもので、やや伸縮性があります。
縦には伸びませんが、横には伸びる感じです。
エッジのアッパーは硬めのエンジニアードメッシュだったので、エッジでややきついと感じていた方には良い変更点です。
メタスピードエッジ+ ミッドソール
ミッドソール素材は全面フライトフォームブラストターボです。
フライトフォームブラストターボは名称が長いことからFFブラストターボとかFFターボと省略されたりします。
FFブラストターボはFFブラスト並みの反発性と通常のフライトフォーム並みの軽量性を併せ持つアシックスの最上級ミッドソールです。
ミッドソールの厚みは前足部25mm、後足部33mmのドロップ差8mmです。
厚さはエッジからそれぞれ4mm厚くなりました。
スカイ+と比較すると、かかと部は同じ33mmで前足部はエッジ+の方が3mm薄いだけです。
FFブラストターボはエッジより16%増量されました。
それは厚くなったミッドソールの分もありますが、スカイ+のFFブラストターボよりも密度が高いことも理由にあります。
かかとの厚さはエッジ+もスカイ+も同じですが、前足部が薄いエッジ+の方が重いのはそのためです。
また、カーボンプレートはエッジと同じくスプーン型に入っています。(スカイ+はフラット型に変更)
メタスピードエッジ+ アウトソール
グリップ性も耐久性も高いアシックスグリップ(黒い部分)が広範囲に貼られています。
こちらはスカイ+のアウトソールです。
同じように見えますが、ほんの少しエッジ+の方がラバー面積が広いです。
ASICS公式
こちらのアシックスサイトの画像の方がわかりやすいと思いますが、中足部の真ん中部分はエッジ+のラバーの方が若干後ろの位置まであります。
メタスピードエッジ+ サイズ感
メタスピードシリーズで比較すると、足長はすべて同じ、幅はエッジとエッジ+は同じ、スカイはエッジより気持ち広め、スカイ+はさらに気持ち広めという感じです。
自分はすべて26cmで良い感じですが、ナイキのヴェイパーフライやアルファフライだと26.5cm、アディダスのアディオスプロ3は26cm、タクミセン9は26.5cmがぴったりというサイズ感です。
メタスピードエッジ+ 走行感
ストライド型ランナー向きのメタスピードスカイ+に対して、ピッチ型ランナー向きのメタスピードエッジ+というのがメーカーの打ち出しです。
しかし、それで片付けられるほど簡単ではないため、スカイ+や他メーカーの厚底レーシングなどと比べてどんなメリット・デメリットがあるかについて履き心地を比較いたします。
まず、ミッドソールのフライトフォームブラストターボ。
これはフライトフォームブラストと同等の柔らかさと反発性がありつつ、通常のフライトフォーム並みに軽量であるのが特徴です。
ナイキのズームXと比較すると、FFブラストターボの方が硬く、安定感はあります。
そのため、メタスピードエッジ+はアシックスの中では反発性の高いシューズではありますが、より反発性を求めるのであればナイキのヴェイパーフライやアルファフライの方が良いです。
ナイキより優れる点は安定性で、反発性を前への推進力に生かしやすいのがメリットです。
カクッと前へ自然と踏み込むようなライド感が感じられます。
このライド感はヴェイパーフライやアルファフライでは感じられません。
次にメタスピードスカイ+と違う点ですが、大きく違うのはミッドソールの硬さです。
かかと部の厚さは同じはずですが、エッジ+の方が硬く感じます。
前足部は3mmの厚さの違いがありますが、厚さの違いだけではない硬さの違いがあります。
これはFFブラストターボの密度がスカイ+より高いことによるものです。
また、前足部はプレートがスプーン状に入っていることから、フラットに入っているスカイ+よりずっと下にプレートがあります。
そのため、スカイ+のように沈み込みがありません。
かかとから着地しても中足部で着地しても、自然と前足部に体重移動できるようなライド感があります。
スカイやスカイ+より反発が返って来るのが早いため、溜めを作らず足を回転させて走るピッチ走法が向いています。
距離適性は「スカイ+」<「スカイ」<「エッジ+」の順に長めです。
ちょっと走ったくらいではスカイやスカイ+に比べてエッジ+の良さはわかりにくいですが、距離が長くなるほど安定感とライド感の高さが生きてくるようなシューズです。
【補足】ソールの厚さについて
ASICS公式
この上の表によると、メタスピードエッジ+のソールの厚さは31-39mmです。
ASICS公式
しかし、こちらの表では25mm-33mmであるという旨が記載されています。
これはどちらが間違いでどちらが正しいという話ではありません。
まずは上の表では「ソール」、下の表では「ミッドソール」という記載の違いがあります。
つまり上の表ではインソールとアウトソールの厚さも含んでいることが考えられます。
次に、そもそもミッドソールの厚さを計るのは難しいという点です。
実際、メーカー側が発表するのと世界陸連の判断では厚さが異なったりします。
そのため、そもそも厚さの違い(特にメーカー違いの比較)については参考程度と考えるべきです。
なお、他メーカーの発表する数字と比較する場合、下の表の方が実体に近い数字と思われるため、この記事では下の表の数字を「厚さ」として表記しています。
まとめ
まずは基本スペックのまとめです。
・重さ:26cm197g
・アッパー:モーションラップ
・ミッドソール:フライトフォームブラストターボ+カーボンプレート(スプーン形状)
・アウトソール:アシックスグリップ
・厚さ:後足部33mm、前足部25mm
その他の特徴や個人的感想です。
・反発よりライド感に頼って走る方がリズムに乗れる
・スカイ+よりミッドソールの密度が高いため、接地感は硬めで反発は早め
・スカイやスカイ+より距離適性は長め
メタスピードスカイ+については「アシックス メタスピードスカイ+徹底レビュー!」の記事を、その他のアシックスのランニングシューズについては「アシックス ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください。