アシックスのGT-2000シリーズは、アシックスのランニングシューズの中で、スタビリティーシリーズに属するエントリーモデルです。
スタビリティーシリーズには、アシックスで最もロングセラーシリーズのゲルカヤノとGT-1000が他にありますが、GT-2000シリーズはその中間に位置するモデルです。
2022年2月10日にGT-2000 10が発売されましたが、ここでは主に、前作のGT-2000 9と比べてどう変わったかを中心に説明いたします。
GT2000 10 重さ
ASICS公式
27cmで280gです。
重さ自体は前作とほぼ変わりません。
GT2000 10 アッパー
ASICS公式
前作のメッシュから、エンジニアードニットというニット素材になりました。
ニットはメッシュより柔らかく伸縮性がありますが、このエンジニアードニットは、それほど伸縮性があるというわけではありません。
ナイキのフライニットの方が柔らかく感じます。
GT2000 10 ミッドソール
ASICS公式
ミッドソールは上がフライトフォームプロペル、下がフライトフォームの2層構造です。
フライトフォームプロペルはフライトフォームより反発性とクッション性に富みますが、フライトフォームより重量があります。
すべてをプロペルにすると重くなりすぎ、すべてをフライトフォームにするとクッション性・反発性が足りないことから2層構造になっていると思われます。
また、かかと部分にはフライトフォームプロペルとフライトフォームの間にゲルが入っており、かかとから着地した時のクッション性を高めています。
特に記載がありませんが、前足部には母指球のあたりにゲルが内蔵されています。
これらの基本的構造や厚みは前作から変更なさそうですが、大きな違いは前作は全面フライトフォームであった点です。
GT2000 10 アウトソール
ASICS公式
ここは以下2つの点が前作から変更されました。
ASICS公式
こちらは前作GT-2000 9のアウトソールですが、前足部の横に入った溝の数が3本です。
今作では4本に増えたことで、より屈曲しやすい構造になりました。
もう一つは中足部のシャンク(硬いプレート)です。
このシャンクはトラスティックとも呼ばれます。
前作はアウトソールの表面につけられ、ねじれ防止の効果を担っていました。
今作はこれがなくなりましたが、「ライトトラス」という新機能として内蔵されています。
ASICS公式
ライトトラスは上の図の斜線部分に内蔵されていますが、単にねじれ防止だけでなく、内側に過度に倒れこまないようなオーバープロネーション防止効果も併せ持っています。
前作はオーバープロネーション対策として「ダイナミックデュオマックス」という「ライトトラス」と同じような内側に倒れ込ませない硬い仕様がされていました。
つまり「ライトトラス」は、トラスティックとダイナミックデュオマックスの両方の機能を持つ新機能と言えます。
GT2000 10 履き口
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履き口部分はかかとのクッションが薄くなり、やや広くなりました。
そのため、フィット感は前作の方が良かったように思えます。
GT2000 10 レビュー
ASICS公式
ミッドソールにフライトフォームプロペルが使われた分、前作よりクッション性と反発性は良くなったという印象です。
それでいて重さは変わらないため、スピードは出しやすくなりました。
しかし、シリアスランナーにとってはスピード練習に使うには重さがあり、サポート性も高すぎるため、速めのジョグなどに使うのが最適です。
履き口が緩くなった分、フィット感は前作より落ちる気がします。
フィット感を重視してアシックスを選んでいる人には改悪とも思える変更ですが、ナイキのフィット感に慣れている自分にとっては全く気にならないレベルです。
また、接地感はスペックのわりに硬めです。
これはオーバープロネーションやねじれ防止のためだと思いますので、ふかふかのクッションが欲しいのであれば、ゲルニンバスなどのクッションシリーズのシューズの方がおすすめです。
まとめ
GT2000 10 の基本スペックのまとめです。
・重さ:27cm280g
・アッパー:エンジニアードニット
・ミッドソール:フライトフォームプロペル+フライトフォーム+ゲル
・ライトトラス(ねじれ&オーバープロネーション防止機能)
GT2000 10 の特徴のまとめです。
・「ゲルカヤノ」と「GT-1000」の中間的機能シューズ
・履き口が緩め(前作比)
・ジョグ用
その他のアシックスのランニングシューズについては「アシックス ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください。