インターバル走とは疾走と緩走を繰り返すきついトレーニングですが、記録を求めるシリアスランナーであれば、速くなるために避けては通れないトレーニングです。
しかし、インターバルだけ行えば速くなる訳でもありません。
大事なのはインターバルを行う目的を理解し、他のトレーニングと組み合わせて取り組むことです。
では、どういう目的でどういうやり方をすべきかについて解説していきます。
まずは、正しいインターバルトレーニングで得られる効果は主に以下の3つです。
・最大酸素摂取量(VO2MAX)の向上
・乳酸再利用能力の向上
・心肺機能の向上
次にインターバルを行う際の注意点は以下の3つです。
・疾走タイムだけでなくレストタイムもきっちり決める
・本数を多くし過ぎない
・設定をこなせない時は、疾走タイムを落とすより本数を減らす
順に解説いたします。
インターバルの効果①最大酸素摂取量(VO2MAX)の向上
最大酸素摂取量はVO2MAXとも言われる指標です。
Vは量(volume)、O2は酸素(oxygen)、MAXは最大値(maximum)を意味します。
1分間にどれだけ多くの酸素を体内に取り込むことができるかを表し、単位はml/kg/minuteです。
一般男性の平均は40ml/kg/minute程度で、サブフォーランナーなら50ml/kg/minute、サブスリーランナーで60ml/kg/minute、一流アスリートとなると80ml/kg/minute以上くらいが目安となります。
全てのモデルではありませんが、ガーミンのランニングウォッチで測定してくれますので、対応機種を持っている方は変化を確認すると良いでしょう。
最大酸素摂取量(VO2MAX)は、低強度の持久系トレーニングでも上げることができますが、高強度のインターバルトレーニングがより有効です。
インターバルの効果②乳酸再利用能力の向上
乳酸はかつて疲労物質と考えられていましたが、実はそうではありません。
無酸素でエネルギーを作ると、その代謝産物として乳酸ができ、速くなればなるほど乳酸は多くなります。
しかし、乳酸はエネルギーとして再利用することが可能です。
高強度のインターバルは、短時間で多くの乳酸ができるため、必然的に再利用する能力が求められるのです。
なお、この乳酸の再エネルギー化に着目したのがカツサプというサプリです。
インターバルの効果③心肺機能の向上
最後に一番わかりやすい効果が心肺機能の向上です。
心拍数の大幅な上下動を繰り返すため、心肺機能を高められます。
インターバルの注意点①レストタイムを決める
次に注意点ですが、まずはレストタイムを決めることです。
疾走タイムにばかり目が行きがちですが、レストの時間もきっちり決めておくべきです。
実際60秒のレストと80秒のレストでは、疾走タイムに大きな差が生まれる場合があります。
マラソンのトレーニングとしては400mや1,000mのインターバルが一般的ですが、レストが90秒以上あると長過ぎて効果が薄くなったり、逆にレストが短すぎてもスピードが出せなかったりメニューをこなし切れない可能性が高くなります。
そう考えるとこれくらいの距離であれば、60〜80秒くらいのレストが妥当と思われますので、その範囲内で予めきっちり設定しておくと良いでしょう。
インターバルの注意点②本数を多くし過ぎない
距離を長く走ったから頑張ったと考える人が多いように、本数を多くこなす方が効果があると思う人も多いです。
しかし、これは完全な間違いで、本数を多くすればするほどスピードや心拍数は落ちるため、本来のインターバルの効果は薄まります。
スピード持久力やスタミナをつける効果はむしろ上がるかもしれませんが、それならペース走やロング走でも良いわけです。
真夏にスタミナをつける目的で本数を多くこなすのはありですが、何のためにインターバルをやるか考えた時、VO2MAXや乳酸再利用能力・心肺機能の向上を目的にするならば、本数は5〜10本くらいが妥当です。
インターバルの注意点③本数よりタイム
インターバルはきついトレーニングであるため、途中で設定をこなし切れない場合も多いと思います。
その場合、設定タイムを落として本数をこなすより、本数を減らしてタイムを落とさない方が効果的です。
ただし、本数を多くし過ぎた場合と同じで、インターバル本来の目的である、VO2MAXや乳酸再利用能力・心肺機能の向上を目指した場合です。
スタミナの向上を目的とした場合は、本数をこなした方がいいとも言えます。
まとめ
ここではインターバルの効果と注意点について説明しましたが、最も重要なのは疾走区間の設定タイムです。
1kmのペース設定は最低でもフルのペースの10〜20秒は速くないと効果が薄れます。
セットの最後に極端にペースを上げることができるようだと、設定が緩いと思ってください。
疾走区間の設定タイムをしっかり設定した上で、繰り返しですが以下の注意点を守ることが最大限の効果を発揮できます。
・疾走タイムだけでなくレストタイムもきっちり決める
・本数を多くし過ぎない
・設定をこなせない時は、疾走タイムを落とすより本数を減らす
以下の3つの効果を得るために、インターバルトレーニングを日常に取り入れることをおすすめいたします。
・最大酸素摂取量(VO2MAX)の向上
・乳酸再利用能力の向上
・心肺機能の向上
なお、VO2MAXについては「VO2MAX(最大酸素摂取量)とは?VO2MAXを調べる3つの方法」を参照してください。
また、インターバルと似たようなトレーニングにレペティションというトレーニングがあります。
詳しくは「レペティションとインターバルは違う?レペによる3つの効果とは?」の記事を参照してください。