ナイキのズームアルファフライ ネクスト%3(以下、アルファフライ3)は2024年1月4日に先行発売され、2月22日に一般発売となりました。
価格は税込で39,655円と、ほぼ4万円となりましたが、前作のアルファフライ2や初代アルファフライ、ヴェイパーフライ3との違いなどを中心にお伝えいたします。
アルファフライ3 重さ
26.5cmで198gです。
前作は226gだったので、約30gも軽くなりました。
初代アルファフライと比べても10gほど軽く、シリーズ最軽量です。
こちらは前作アルファフライ2で
こちらは初代アルファフライです。(いずれも26.5cm)
アルファフライ3 アッパー
アッパーはアトムニット3.0です。
前作のアトムニットより伸縮性がある感じがします。
真ん中に向かって放射状の網目になっていて、フィット感も良く感じられます。
足の甲にかかる圧が弱くなったようで、前作よりゆとりを感じられます。
ただ、前作までが締め付けが強かったので、緩すぎるというわけではありません。
シュータンは前作・前々作と同じくアッパーとの一体型で、シューレースも解けにくいギザギザタイプです。
履き口の部分は緩くなったのか、前作や前々作のように初めて履く時にキツすぎるということはありません。
また、シューレースは前作(右)までは斜めに配置されていましたが、今作はほぼ真っ直ぐになりました。
アルファフライ3 ミッドソール
ミッドソールの素材はもちろんズームXです。
間にフライプレートと呼ばれるカーボンプレートを挟んで、前足部にはズームエアポッドがついています。
前作と同じようにエアズームポッドの下にズームXがあります。
初代アルファフライではエアズームポッドの下はアウトソールがあるだけだったので、反発力だけならダイレクトにパワーをもらえる初代の方が高いです。
また、前作まではエアの部分が独立してましたが、今作では中足部までつながりました。
さらに、かかと部分は中足部でフラットに着地すると若干ですが、浮くような感じになります。
かかとを浮かす発想は、ミズノのウエーブリベリオンプロのSSA(スムーズスピードアシスト)機能に似ている気がします。(詳しくはミズノ ウエーブリベリオンプロ2 徹底レビュー!の記事を参照してください)
同じように置いても、かかとまでペタッとついてしまう前作(右)と違って、今作はかかとが上がります。
アルファフライ3 アウトソール
アウトソールも大きく変わりました。
グリップの弱さがナイキの弱点とも言えますが、母指球のあたりにグリップの良さそうなラバーがつけられました。
また、今作から前足部と中足部がつながり、フラットソールになりました。
前作までは完全なセパレートソールだったため、大きな変更点です。
これまでのナイキのレーシングシューズからすると、だいぶグリップが良い感じです。
濡れた路面でまだ走ってはいませんが、滑らなそうです。
軽量化のため、真ん中は大きく穴が空いています。
中足部はズームXが剥き出しで、かかと部にはラバーがついていますが耐久性はなさそうです。
かかとのラバー面積はだいぶ小さくなっています。
画像(右)は前作アルファフライ2ですが、中足部までラバーがあります。
3の中足部はズームXが剥き出しのため、劣化しやすそうです。
アルファフライ3 走行感
一言で例えるなら、ヴェイパーフライ3にエアポッドをつけたような走行感です。
初代アルファフライやアルファフライ2と比べるよりも、しっくりくる表現かと思います。
初代アルファフライほどの爆発力はありませんが、安定感と軽量性では上回っています。
アルファフライ2はもともと私は酷評していたこともあり、ほぼ全ての点で3の方が良いです。(詳しくはアルファフライ2徹底レビューの記事を参照してください)
初代アルファフライでは前足部で着地しないと本来の反発感がもらえない感じがありましたが、今作ではどこで着地してもあまり変わらない感じです。
初代・2より圧倒的に高いのはライド感で、後ろの方で着地しても自然と前に足を運んでくれる感覚があります。
これはソールがセパレートからフラットに変更されたのもあると思いますが、かかとの少し上がった形状にも起因していると考えられます。
そのため、初代アルファフライのような少し履いただけでのわかりやすい良さはそこまでありませんでしたが、時計を見ずに走っていたら自然とペースが上がってしまうという良さがありました。
ハーフまでなら絶大な力を発揮する初代と比べて、フルなら今作の方が良いと思います。
では、ヴェイパーフライ3と比べるとどうかという点で比較します。
まずはアッパーです。
これは好き嫌いもあるかと思いますが、私は断然アルファフライ3の方が好きです。
ヴェイパーフライ3のアッパーは、網目の穴が大きすぎて、末端冷え性の私には寒い時期に履けません。
それを差し引いてもアルファフライのアトムニットの方が足にフィットするため、良いと感じます。
次に走行感ですが、前述のとおりアルファフライ3はヴェイパーフライ3にエアポッドをつけたような感じのため、反発力はアルファフライ3が上です。
しかし、沈み込みの差はほとんどないように思えます。(ヴェイパーフライ2と比べると沈みます)
一方でヴァイパーフライ3の方が良い点は、軽量さとかかと着地の安定性です。
ヴェイパーフライ3の方が13gほど軽いです。(26.5cm実測値)
しかし、この程度の差は正直言って体感ではわからないレベルです。
大きく違うのはかかと着地の安定感で、ヴェイパーフライ3は柔らかいながらも安定感があり、この点が最も万人受けする点だと私は考えています。
一方でアルファフライ3は、かかとが若干浮いているため、着きにくい構造ではあります。
また、どこで着地してもあまり変わらない反発がもらえると前述しましたが、それはあくまでもしっかり前への推進力を持って走っている場合です。
レース後半でバテてきていたり、そもそもそれほどスピードのない人(キロ6分などで走るランナーなど)がかかと着地してしまうと、上に跳ねてしまう感じがします。
そのため、レース後半でもペースが落ちにくい人はアルファフライ3の方が速く走れる可能性がありますが、反発が強いぶん、筋力がないと足への負担がかかって後半失速してしまう可能性もあり、どちらがフルに向いているかは難しいところです。(ヴェイパーフライ3について詳しくはナイキ ズームX ヴェイパーフライネクスト%3 徹底レビュー!の記事を参照してください)
アルファフライ3 まとめ
重さ:26.5cm 198g
アッパー:アトムニット3.0
ミッドソール:ズームX+カーボンファイバープレート
ズームエア:前足部(エアズームポッド)
その他の特徴や個人的感想です。
・ヴァイパーフライ3にエアポッドをつけた走行感
・初代アルファフライより爆発力はないが、前作より全ての点で良い
・ライド感(推進力)はアルファフライシリーズ最高
その他のナイキのランニングシューズのシリーズについては「ナイキ ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください。