[練習メニューの組み立て方]速度でなく強度で考える方法とは?

練習メニューを組み立てる際、どのくらいのペースで行うかについて「速度」を基準に行う人が多いと思います。

それはそれで間違いではないのですが、例えば同じキロ4分の10kmペース走でも気温や風、自身の調子などによって強度は全く異なります。

ポイント練習で追い込んだ日は、「今日は限界まで頑張った」と思ったりもしますが、実際にどの程度追い込んだかを客観的に見る方法があります。

それは心拍数を見ることです。

心拍数を見るくらいはすでにやっている人も多いと思いますが、最大心拍数に対してどのレベルまで追い込んだかを記録しておくことがおすすめです。

以下、やり方を順を追って説明します。

手順①心拍計を準備する

心拍数の計り方はガーミンなどの心拍計のついたランニングウォッチが便利です。

持っている方はこの章は読み飛ばしてください。

ガーミンフォアアスリートシリーズの現行モデルは全て心拍計付きとなりましたが、型番の下一桁が「5」のモデルは心拍計がついています。

ガーミンについて詳しく知りたい方は「ガーミン(GARMIN)フォアアスリートシリーズ徹底レビュー!」の記事を参照してください。


手順②最大心拍数を知る

日々の練習で計測するのはもちろんですが、まずは最大心拍数を知っておくと良いでしょう。

最大心拍数は「220-年齢」と一般的に言われています。

これはかなりざっくりした公式ですので基準と思ってください。

この後に説明する方法で算出される自分の最大心拍数が、この基準より上なのか下なのかを知っておくと良いでしょう。

最大心拍数を算出する練習方法は2つあります。

最大心拍数を知る練習方法

・2分間の坂道トレーニング
・平地の800m走

坂道があるなら2分間坂道を走り続けてみてください。

もちろん心拍が大きく上がるくらいの全力疾走です。

終わったら、心拍が下がり切る前にもう一度2分間走ります。

心拍数を見ると、おそらく2回目の方が高くなると思います。

そうしたら3回目も走ります。

3回目が一番高ければ4回目も走ります。

前の回を下回るまでこれを続けます。

前の回を下回った場合、その前の回の最高値が最大心拍数です。

坂道がない場合は同じことを800mでやります。

私の経験上、どんなに1本目で追い込んでも2本目で心拍が上回らないことはありません。

2本目が1本目を下回るようであれば、追い込みが足りないか休息が長いかのどちらかです。

最大心拍数を知るためのトレーニングですので非常にきつい練習です。

限界まで追い込むつもりで挑戦してください。

手順③日々の練習の強度を記録する

最大心拍数がわかったら後は日々の練習の強度を書き留めるだけです。

練習日誌は必ずつけておくようにしましょう。

書き留める方法はExcelでもアプリでも何でも構いません。

最大心拍数に対して何%だったかを具体的な練習内容とともに記録します。

例えば最大心拍数180に対して150まで上げた練習であれば150÷180=0.833で約83.3%です。

なお、心拍数はスピードが速い方が上がるのはもちろんですが、本数が多かったり、距離が長い方が上がりやすいです。

手順④日々の練習強度を確認する

練習日誌が溜まったら、ある程度どんなトレーニングをすればどの程度の強度なのかがわかってくると思います。

夏場と冬場のトレーニングでは内容がかなり異なると思いますが、強度で比較してみてください。

冬場の1,000m3分30秒インターバルより夏場の3分40秒の方が強度が高い可能性もあるわけです。

大事なのはどういう目的でそのトレーニングをしているかです。

3分30秒で走らなければいけないというスピードに意味を持つトレーニングであれば、3分40秒はNGです。

しかし、練習強度を確保したいという目的なら、冬場の3分30秒と同じ強度が得られるのであればOKということです。

また、ここで言いたいのは、必ずしも高い強度でポイント練習をすればいいというわけではありません。

練習内容の質が落ちているのに強度が変わっていないのであれば疲れを感じているのかもしれません。

その場合は練習を見直して強度を下げるべきです。

しかし、質とともに強度も落ちているのであれば追い込みが足りていないということです。

この場合は追い込めなかった要因を考え、再度チャレンジしてください。

[補足]ダニエルズ理論による強度の分類

ダニエルズ博士による練習強度は以下の5つに分類されます。

ダニエルズ理論の練習強度

Eペース:イージーランニング
Mペース:マラソンペース
Tペース:閾値ランニング
Iペース:インターバル
Rペース:レペティション

これらのペースの名称はわりと一般的によく使われます。

わかりにくいのは閾値ですが、「ATペース走・LTペース走・閾値走 それぞれの意味と違いとは?」の記事で説明していますので、わからない方は参考にしてください。

なお、速さでなく心拍数で分類すると以下の通りです。

トレーニングタイプ別 適性心拍数

Eペース:65〜78%
Mペース:80〜88%
Tペース:88〜90%
Iペース:98〜100%
Rペース:100%

いずれも最大心拍数に対しての値です。

被っている部分や間が空いている部分がありますが、実際の心拍数がどのくらいのパーセンテージになるか知っておくと良いでしょう。

では、それぞれのトレーニングをどういう割合で組み立てたら良いかという点ですが、これは週間走行距離に占める割合でダニエルズ理論では示されています。

週間走行距離に対する割合

Eペース:25〜30%
Mペース:10〜20%
Tペース:10%
Iペース:8%か10kmの短い方
Rペース:5%か8kmの短い方

全部足しても100%にならないので独自の解釈を加えますが、Eペースはもっと割合が高くても良いのではないかと思います。

反対にIペースとRペースをこの割合で行うのは難易度が高いです。

そのため、E・M・Tの割合を意識しつつ、IかRは週によってどちらかを入れていく程度がおすすめです。

まとめ

この強度に関する考え方はダニエルズ理論に自分なりの解釈を加えて説明しています。

今回は心拍による強度の考え方を説明しましたが、VDOTによる考え方も一般的によく使われます。

その方法は「[ダニエルズ理論]E・M・T・I・Rの5つのペースとは?」の記事を参照してください。

なお、ダニエルズ理論に関してはこちらの本を参考に解説しています。難解ですが、読む価値はあると思います。

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