アシックスのメタスピードスカイは、メタスピードスカイ+が発売された後も存続する人気シリーズです。
そこで「+」が発売されてからも時間が経った今、メタスピードスカイ+と比較しながらオリジナルのメタスピードスカイをレビューいたします。
なお、価格はどちらも27,500円(税込)です。
メタスピードスカイ 重さ
26cmで186gです。
メタスピードスカイ+の190gに対してやや軽量です。
こちらはメタスピードスカイ+です。
また、この画像比較が一番わかりやすいですが、メタスピードスカイ+の方がつま先が上がった形になっています。
メタスピードスカイ アッパー
アッパーはエンジニアードメッシュです。
メタスピードスカイ+のモーションラップアッパーより、やや硬めです。
外から手で触った感触はあまり大差ないようにも思えますが、内側から足が触れるとスカイのアッパーは硬く感じます。
メタスピードスカイ ミッドソール
ミッドソール素材はこのシューズで初めて搭載されたフライトフォームブラストターボです。
フライトフォームブラストターボは名称が長いことからFFブラストターボとかFFターボと省略されたりします。
FFブラストターボはFFブラスト並みの反発性と通常のフライトフォーム並みの軽量性を併せ持つアシックスの最上級ミッドソールです。
ミッドソールの厚みは前足部28mm、後足部33mmのドロップ差5mmです。
この厚さはスカイ+でも変更はありません。
カーボンプレートはナイキのヴェイパーフライと同じくスプーン状に入っていて、スカイ+ではプレートの入り方が変更されます。
メタスピードスカイ アウトソール
グリップ性も耐久性も高いアシックスグリップ(黒い部分)が広範囲に貼られています。
こちらはスカイ+のアウトソールです。
同じように貼られていますが、中足部のラバー面積がスカイ+では明らかに減っています。
わずかな違いに思えますが、中足部で接地した時のグリップ感は結構違います。
メタスピードスカイ サイズ感
メタスピードシリーズで比較すると、足長はすべて同じ、幅はエッジとエッジ+は同じ、スカイはエッジより気持ち広め、スカイ+はさらに気持ち広めという感じです。
スカイよりスカイ+の方が0.5cm小さめのサイズを選ぶ人もいるようですが、自分はすべて26cmで良い感じです。
なお、自分はナイキのヴェイパーフライやアルファフライだと26.5cm、アディダスのアディオスプロ3は26cm、タクミセン9は26.5cmがぴったりというサイズ感です。
メタスピードスカイ 走行感
ピッチ型ランナー向きのメタスピードエッジに対して、ストライド型ランナー向きのメタスピードスカイというのがメーカーの打ち出しです。
確かにメタスピードエッジと比較すれば、ピッチよりストライド向けです。
しかし、それで片付けられるほど簡単ではないため、スカイ+や他メーカーの厚底レーシングなどと比べてどんなメリット・デメリットがあるかについて履き心地を比較いたします。
まず、ミッドソールのフライトフォームブラストターボ。
これはフライトフォームブラストと同等の柔らかさと反発性がありつつ、通常のフライトフォーム並みに軽量であるのが特徴です。
ナイキのズームXと比較すると、FFブラストターボの方が硬く、安定感はあります。
そのため、メタスピードスカイはアシックスの中では反発性の高いシューズではありますが、より反発性を求めるのであればナイキのヴェイパーフライやアルファフライの方が良いです。
ナイキより優れる点は安定性で、反発性を前への推進力に生かしやすいのがメリットです。
中足部あたりで着地した後にカクッと前へ自然と踏み込むようなライド感が感じられます。
このライド感はヴェイパーフライやアルファフライでは感じられません。
次にメタスピードスカイ+と違う点ですが、大きく違うのはカーボンプレートの入り方です。
プレートがスプーン状に入っていることから、スカイの方が前足部のプレートは下にあります。
それによる柔らかさの違いはあまり感じませんが、スカイの方が沈み込みが少ないです。
そのため、前足部を潰して反発をもらうのではなく、中足部から乗り込んで前へ進ませるようなライド感に頼って走る方がリズムに乗れます。
ここがスカイ+との大きな違いで、試し履き程度だとスカイ+の方がクッションや反発もよく、スケールが上がった感がありますが、距離が長くなるほど地味に生きるのはスカイの方です。
スカイ+と比較するとスカイの方がピッチ向けです。
距離適性はスカイ+の方が短め、スカイの方が長めです。
しっかり前足部を潰して反発をもらいながら後半も走り続けられるのであればスカイ+の方がフルマラソンも速く走れると思いますが、フルならスカイの方が向いている人の方が多いと思います。
また、履き心地はかなり異なりますが、エッジ+に近いライド感もあります。
【補足】ソールの厚さについて
ASICS公式
この上の表によると、メタスピードスカイのソールの厚さは34-39mmです。
ASICS公式
しかし、こちらの表ではメタスピードスカイ+は28mm-33mmで、メタスピードスカイも同じであるという旨が記載されています。
これはどちらが間違いでどちらが正しいという話ではありません。
まずは上の表では「ソール」、下の表では「ミッドソール」という記載の違いがあります。
つまり上の表ではインソールとアウトソールの厚さも含んでいることが考えられます。
次に、そもそもミッドソールの厚さを計るのは難しいという点です。
実際、メーカー側が発表するのと世界陸連の判断では厚さが異なったりします。
そのため、そもそも厚さの違い(特にメーカー違いの比較)については参考程度と考えるべきです。
なお、他メーカーの発表する数字と比較する場合、下の表の方が実体に近い数字と思われるため、この記事では下の表の数字を「厚さ」として表記しています。
まとめ
まずは基本スペックのまとめです。
・重さ:26cm186g
・アッパー:エンジニアードメッシュ
・ミッドソール:フライトフォームブラストターボ+カーボンプレート(スプーン形状)
・アウトソール:アシックスグリップ
・厚さ:後足部33mm、前足部28mm
その他の特徴や個人的感想です。
・反発よりライド感に頼って走る方がリズムに乗れる
・エッジ+に近いライド感
・距離が長くなるほどスカイ+より速く走りやすい
その他のアシックスのランニングシューズについては「アシックス ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください。