GPSウォッチと言えば、圧倒的なシェアを誇るのがアメリカ製のガーミン(Garmin)です。
中でもランナーに圧倒的な人気を誇るFore Athlete(フォアアスリート)シリーズについて比較してみました。
Garmin Fore Athlete 10J(ガーミンフォアアスリート10J)
位置情報:GPS・みちびき
稼働時間:5時間
光学式心拍計:非対応
Bluetooth:非対応
スマホ通知:非対応
Garmin pay:非対応
すでに生産は終了しているモデルです。
型番の数字2桁はエントリーモデルであり、10Jはその最古のモデルと思われます。
GPS起動時の稼働時間は最大5時間のため、フルマラソンを走る人向けではありません。
これはサブ5なら大丈夫という話ではなく、実質使用しているうちにもっと短くなったり、オートラップの機能(決めておいた距離で自動的にラップをとる機能)など、他の機能を使ったりすると短くなるからです。
このモデルでもオートラップはついている(400m、1km、2km、5kmの設定のみ)ため、とにかく安いGPSウォッチが欲しい人や、フルを走るつもりのないランニング初心者向けのモデルと言えるでしょう。
また、Bluetoothは使えませんがガーミンコネクトとの連携はUSBポートを使ってパソコンで可能なので、初心者でもガーミンコネクトは登録しておいた方が良いでしょう。
Garmin Fore Athlete 35J(ガーミンフォアアスリート35J)
位置情報:GPS・みちびき
稼働時間:13時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
型番2桁はエントリーモデルですが、35Jは13時間稼働かつ光学式心拍計もついており、スマホ通知にも対応しているなど、かなり高機能です。
10Jの後に15Jという10Jの稼働時間を長くしたような進化版が販売されていました(すでに生産終えており購入も困難)が、35Jはそれらの進化版というより、中位モデルである235Jの劣化版というイメージです。
エントリーモデルとしてはかなり高機能ですが、中位モデルである200番台のモデルが低価格化しており、35Jより安く買えてしまったりするため、このモデルを購入するメリットはあまりなさそうです。
中位モデルよりデザインがシンプルで軽いというのがメリットでしょうか。
Garmin Fore Athlete 45(ガーミンフォアアスリート45)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS・Galileo
稼働時間:11時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
まず、位置情報はGPS・みちびき・GLONASSの他、GALILEOまで対応となりました。みちびきは日本版、GLONASSはロシア版、GALILEOはヨーロッパ版のGPSです。(35JはGPSとみちびきのみ対応)
次に稼働時間ですが、GPSと光学式心拍計を稼働させた状態で最大11時間と、35Jの13時間から後退してしまいました。
これは35JがGPSとみちびきのみ対応で45と45SがGLONASS・GALILEOまで対応しているからと思われます。
日本国内で走る上で、GALILEOがどこまで有効かはわかりませんが、2ケタ番台のエントリーモデルにまで搭載されたということは、今後はGALILEOまで対応するのがガーミンのスタンダードとなってくるでしょう。
その他の基本的な機能として、35Jにも搭載されていたBluetoothやスマホ通知、光学式心拍計は搭載されており、garmin payが搭載されていない点も同じです。
新たに追加されたのがセーフティ機能です。
これは、身に何か起こった時に、時計がその衝撃を感知し、予め登録した連絡先へ位置情報とともにメッセージを送るというものです。
しかし、スマホとBluetoothで接続している必要があるため、スマホ不携帯では使えないこと、また「身に何か起こった時」というのがどういう判定でされるのか不明なため、使える機能かは微妙なところです。
さらにバイクやトレッドミルには対応するようになりましたが、スイムには非対応なのでマルチスポーツモデルと言えるかは微妙です。
また、ランニング中の上下動や上下動比、地面に接地した時間やバランス、ストライドなどのフォーム解析を行うことができるランニングダイナミクス機能は非搭載です。
45も重さは36gと、後述する45Sに次いで軽量です。
35Jの後継モデルというよりは245の下位モデルと言った方がしっくりするような機能のモデルです。
価格は定価で24,800円ですが、エントリーモデルとしてはもうすこし機能を絞って低価格でも良かったのではないかな?と思います。
とはいえ、この価格は245と比較してもお買い得なのは確かです。
そんなに多くの機能はいらず、距離がわかればよく、ウルトラマラソンやトライアスロンはやらないというランナーにはおすすめです。
Garmin Fore Athlete 45S(ガーミンフォアアスリート45S)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS・Galileo
稼働時間:11時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
機能的には上記の45と同じで、価格も同じです。
SはSmallのSで、45より一回りサイズが小さいです。 重さは45の36gよりさらに軽い32gです。
女性や非力なランナーにおすすめです。
Garmin Fore Athlete 220J(ガーミンフォアアスリート220J)
位置情報:GPS・みちびき
稼働時間:10時間
光学式心拍計:非対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:非対応
Garmin pay:非対応
200番台は中位モデルですが、特にこの220Jは大ヒットしたモデルで私も含め多くのランナーが所有しています。
これ以前に販売されていたモデルより格段にGPS補足の精度が高く、そして早くなりました。
スマホ通知や光学式心拍計には対応していませんが、Bluetooth機能はついており、ガーミンコネクトと連携すれば、トレーニング後すぐにスマホの画面でトレーニングの内容をか確認することが可能です。
ガーミンコネクトではコースやタイムや高低差はもちろん、ピッチやストライドも表示されるので参考になります。(ランニングダイナミクスポッドを使った場合と比べて精度は低いです)
ウルトラマラソンを走るには稼働時間が短いですが、フルマラソンまでの距離を走るガチランナーにはこれで充分の機能と言えるでしょう。
しかし、220Jはすでに生産は終了しており、後継機種の230Jの価格もほぼ変わらないか230Jの方が安くなってきているので、この機種を選ぶメリットはあまりないでしょう。
Garmin Fore Athlete 225J(ガーミンフォアアスリート225J)
位置情報:GPS・みちびき
稼働時間:10時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:非対応
Garmin pay:非対応
220Jに光学式心拍計の機能を追加したのが225Jです。
220Jと同じく生産を終了しており、後継機種の235Jと価格も変わらないかむしろ高いくらいなので、この機種を選ぶメリットはなさそうです。
Garmin Fore Athlete 230J(ガーミンフォアアスリート230J)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS
稼働時間:16時間
光学式心拍計:非対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
大ヒットした220Jの後継モデルです。
機能的にはスマホ通知が加わり、位置情報もロシア衛星GLONASSにも対応することで、より精度の高い位置情報の把握が可能になりました。
GPS起動時の稼働時間も最大16時間となり、ウルトラマラソンにまで対応できるようになりました。
それでいて価格は220Jと同じくらいまで下がってきており、心拍計のいらない人には最もおすすめのモデルです。
Garmin Fore Athlete 235J(ガーミンフォアアスリート235J)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS
稼働時間:11時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
225Jから追加された機能は、スマホ通知ができるようになったことと、位置情報にロシア衛星GLONASSも加わったことです。
稼働時間は11時間と、心拍計のない230Jより5時間短いのは心拍計にそれだけ電源を食われているからでしょうか。
心拍計も欲しいフルマラソンランナーにおすすめのモデルです。
Garmin Fore Athlete 245(ガーミンフォアアスリート245)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS・Galileo
稼働時間:22時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
2019年5月16日(木)に新モデル「245」・「245music」が発売されました。
200番台は価格が手頃な上にフルマラソンまでなら問題なく使える機能が揃っているため、最も売れている型番であり、この型番の新モデルは大きな影響がありそうです。
なお、今回発売の245は235Jの後継モデルと言えますが、240という型番は販売されなかったため、心拍計のない230Jは後継モデルが発売されなかったということです。
では、245の機能について235Jと比較して書いていきたいと思います。
まず、大きく向上したのは稼働時間です。
GPSと光学式心拍計を稼働させた状態で最大22時間と、235Jの11時間から一気に2倍に伸びました。これは2019年5月16日現在の最上級モデルである935の21時間をも超える稼働時間の長さです。
稼働時間が大きく伸びたことでフルマラソンからウルトラマラソンまでカバーできるようになりました。
また、位置情報はGPS・みちびき・GLONASSはもちろん、GALILEOまで対応となりました。これも235Jはもちろん935でも対応していない点です。(みちびきは日本版、GLONASSはロシア版、GALILEOはヨーロッパ版のGPSです)
日本国内で走る上で、GALILEOがどこまで有効かはわかりませんが、200番台のモデルに搭載されたということは、今後はGALILEOまで対応するのがガーミンのスタンダードとなることを意味していると思われます。
もう一つ新たに追加されたのがセーフティ機能です。
これは、身に何か起こった時に、時計がその衝撃を感知し、予め登録した連絡先へ位置情報とともにメッセージを送るというものです
しかし、スマホとBluetoothで接続している必要があるため、スマホ不携帯では使えないこと、また「身に何か起こった時」というのがどういう判定でされるのか不明なため、使える機能かは微妙なところです。
さらにマルチスポーツモデルとして、バイクやスイムにも対応するようになりました。
しかし、屋外スイムには非対応なのでトライアスロンは非対応です。
また、ランニング中の上下動や上下動比、地面に接地した時間やバランス、ストライドなどのフォーム解析を行うことができるランニングダイナミクス機能を搭載している旨が公式サイトに記載していますが、機能はあっても実際に計測するためには別売のランニングダイナミクスポッドが必要なので注意が必要です。
235Jから大きく改良されたのは稼働時間とランニングダイナミクス対応になったという点です。
Garmin Fore Athlete 245Music(ガーミンフォアアスリート245Music)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS・Galileo
稼働時間:22時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
245musicについては、上記した245と基本的な機能は同じで、異なる点は以下の2つです。
一つ目は、その名の通りミュージック機能がついていることです。
スマホとBluetooth連携して音楽を聴く機能を持つモデルはいくつかありますが、時計そのものに音楽を保存し、スマホなしで音楽を聴くことができるのは、現在のガーミンフォアアスリートシリーズでは645musicと245musicだけです。(後に945、745にも搭載されます)
二つ目は、wi-fi機能がついていることです。
200番台でwi-fi対応は初ですが、ミュージック機能を持たせるためにwi-fiが必要となります。
そのついでに走行データもアップロードできるのは意外と便利かもしれません。
Garmin Fore Athlete 630J(ガーミンフォアアスリート630J)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS
稼働時間:16時間
光学式心拍計:非対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
600番台は上級モデルです。
上のスペックだけ見ると230Jとの違いがよくわからないかと思いますが、別売のハートレートセンサー HRM-Runと組み合わせて使用することで、より細かいランニングダイナミクス(上下動比や左右接地バランスなど)を知ることができます。
しかし、ハートレートセンサーを使わないのであれば、価格の割に230Jに対しての優位性は少ないのではないかと思います。
Wi-Fiに対応しているため、Bluetoothを使わずにデータをアップロードできる利点はあります。
また、すでに630Jは生産を終えていることや、ハートレートセンサーを使わずに細かいランニングダイナミクスを知ることができる「ランニングダイナミクスポッド」が標準装備となっている935が出ていることを考えると、このモデルを無理に購入するメリットは少なそうです。
Garmin Fore Athlete 645(ガーミンフォアアスリート645)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS
稼働時間:14時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:対応
2019年4月現在、唯一2桁目が4番台の最新モデルを出しているのが645です。(※後に245、945、45、745が発売され最古モデルとなりました)
600番台はこのモデルからJの文字がなくなりました。
JはJAPANモデルの意味のようですが、そもそもFore Athlete は日本版で、アメリカ版はFore runnerだということが浸透してきたからなのか、今さらつけなくてもいいんじゃない?ということになったんでしょう。
900番台も935からJ表記がなくなりました。 また、600番台もこのモデルからマルチスポーツ対応となりましたが、735XTJのようにクロストレーニングを表すXT表記もなくなりました。(935もこの点は同様に表記なし)
これは、以降の上級モデルにはマルチスポーツ機能が標準装備となるからなのではないかと思います。
ただし、対応するスポーツは735XTJや935より少ないので注意が必要です。
バイク・プールスイム・スキーには対応していますが、735XTJのように屋外スイムやトライアスロン、935のようにゴルフやトレイルランニングには非対応です。
そしておそらくこのモデル以降、(2桁目が4番台以降)電子ウォレットであるGarmin payに対応してくるのではないかと考えています。(2019年5月に発売された245は非対応でした)
645は初めてGarmin payに対応したモデルです。まだ使えるコンビニがローソンくらいしかないことを考えても、このモデルを購入するメリットは少ないのではないでしょうか。
Garmin Fore Athlete 645Music(ガーミンフォアアスリート645Music)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS
稼働時間:14時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:対応
645に音楽の保存・再生機能を加えたモデルです。
ガーミンの操作でスマホの音楽を再生・停止させる機能がついたモデルは他にもありますが、ガーミン自体に音楽を保存できるモデルは2019年4月現在、Garmin Fore athleteシリーズの中でこれだけです。(後に245music、945、745が対応)
Garmin payにも対応しているので、自宅から音楽を聴きながら走りに行って途中でコンビニに寄って補給をしたりとか、そういうシーンで走ることが多い人にとっては向いているモデルだと思います。
Garmin Fore Athlete 735XTJ(ガーミンフォアアスリート735XTJ)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS
稼働時間:14時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
600、700、900番台は上位モデルですが、600番台、900番台との違いがイマイチ不明確です。
スペックだけ見ると645より優れているところはなさそうですが、価格もこちらの方が安いので順当なところなのでしょう。
また、600番台はWi-Fi対応、735XTJは非対応です。
XTJとは、クロス・トレーニング・ジャパンを表しており、自転車やトライアスロンなどクロストレーニング用の日本版モデルということを示しているようです。
この前身モデルは925XTJです。700番台のモデルは735XTJが初なので、925XTJの後継が735XTJと935の2つに分かれたものと思われます。
クロストレーニング(XT)を謳っているように、マルチスポーツ対応ですが、ゴルフやトレイルランニングには対応していません。(屋外のスイムやトライアスロンには対応しています)
ちなみに645は屋外スイム・トライアスロン非対応、935はゴルフ・トレイルランニングにも対応なので、マルチスポーツ対応モデルと言っても、どのスポーツに対応しているかはよく確認した方が良さそうです。
トライアスロンはやるけどトレイルランニングはやらない人におすすめのモデルと言えます。
GarminFore Athlete 745(ガーミンフォアアスリート745)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS・Galileo
稼働時間:16時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:対応
2020年10月1日、40番台シリーズで最も遅い発売となった745に搭載された、フォアアスリートシリーズ初の新機能はSuica機能です。
ガーミンは2020年5月、Suicaに対応することを発表しましたが、フォアアスリートシリーズでは745が初の対応モデルとなりました。
ガーミンにはGarmin payという電子ウォレットがありますが、ローソンくらいしか使えないこともあってあまり普及しませんでした。
Suicaが使えることとなったのは大きな前進です。
また、ランニングの機能としては、「トラックラン」というワークアウトが新設され、トラックでのランニング計測がより高精度になるようです。(距離はkmでなくmで表示されます)
その他、「呼吸速度」という新しい測定項目ができ、一日を通した呼吸数と睡眠中の呼吸数を計測できるようになりました。
「Suica」「トラックラン」「呼吸速度」の3つは、2020年10月現在でガーミン フォアアスリートシリーズでは745にしかない機能です。
music機能も搭載されており、945にあって745にない機能は、マルチスポーツの「ゴルフ」「登山」と地図のダウンロード機能くらいでしょうか。
745と他のモデルとの比較は「ガーミン フォアアスリート745が発売!45・245・945との違いは?」の記事で詳しく書いています。
Garmin Fore Athlete 935(ガーミンフォアアスリート935)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS
稼働時間:21時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:非対応
2019年4月現在、ガーミンFore Athlete シリーズの最上位モデルで、(6月6日に945が発売されました)私も使用しているモデルです。
前身モデルは925XTJで、それを受け継いでいるのが735XTJと935です。
ここでは735XTJに比べて優れている点を中心に列挙していきます。
まずは稼働時間。GPSと光学式心拍計をONにした状態で21時間という耐久時間が魅力です。
次にマルチスポーツ対応で、ゴルフ・トレイルランニングにも対応している点です。
735XTJもマルチスポーツ対応で、トライアスロンにも対応していますが、ゴルフとトレイルランニングには非対応です。
935には気圧高度計や電子コンパスの機能もついていますが、気圧高度計がついていると、高度の計測がより正確になります。
他のガーミンでも高度の計測はできますが、935は気圧高度計で計測したデータでGPSのデータを自動的に補正してくれるのです。
GPSウォッチは通常、坂道の計測は路面の距離ではなく真上から見た平面の距離を測ります。三角形で言えば、斜面でなく底辺の距離です。
つまり、坂道を長く走るほど実際に走った距離とは誤差が生じるのが普通のGPSウォッチですが、935はそれを補正してくれるのです。
使い方は設定画面で「沿面距離」をONにするだけです。沿面距離は馴染みが薄い言葉だと思いますが、先ほどの三角形の例で言えば斜面の距離のことです。
ロードの坂道でも有効ですが、トレイルランニングに有効な機能であることは言うまでもありません。
そしてこのモデルの1番の売りは、ランニングダイナミクスポッドが標準装備されているところです。
これをランニングパンツにつけて走るだけで上下動比や左右の接地バランスや接地時間など、以前のモデルではハートレートセンサーを装着していないと計測できなかったランニングのデータを計測してくれます。
データのアップロードには600番台のモデルと同じくWi-Fiも対応しています。
935で対応していない機能は、645および645musicで対応しているGarmin payと、645musicの音楽保存です。
ロードランをメインにトレイルランもやる人に最もおすすめのモデルで、トライアスロンもやるなら尚更おすすめです。
Garmin Fore Athlete 945(ガーミンフォアアスリート945)
位置情報:GPS・みちびき・GLONASS・Galileo
稼働時間:32時間
光学式心拍計:対応
Bluetooth:対応
スマホ通知:対応
Garmin pay:対応
前作の935は、フォアアスリートのフラッグシップモデルと言いながらも935の後に販売された645・645musicに機能性で劣る部分もありましたが、今回の945ではあらゆる他のモデルの機能を備えた名実ともにフラッグシップモデルとなりました。
以下、改良点を主に書いていきます。
まず、645に搭載されていた非接触型決済サービス「Garmin Pay(ガーミンペイ)」に対応しました。
また、645musicおよび2019年5月発売の245musicに搭載されている音楽保存機能も搭載しました。
そして、245に初めて搭載されたセーフティ機能や位置情報のGalileo対応にももちろん対応します。この2つの機能については245の欄を参照してください。
それ以外に新しく追加された大きな機能はなさそうですが、大きく進化した点はバッテリーの稼働時間です。
GPSと心拍計を稼働させた状態で最大32時間と、935の21時間を大きく上回ってきました。
また、935では標準装備だったランニングダイナミクスポッドはあり・なしが選べるようで、なしなら標準価格69,800円(税別)、ありなら標準価格74,800円(税別)です。
あらゆる機能を追求する方にはいいですが、かなり高価なので、このモデルを基準として、必要な機能を網羅したモデルを選んだ方がいいんじゃないかなと私は思います。
ガーミン フォアアスリート シリーズについて(補足事項)
型番2桁はエントリーモデル、200番台は中位モデル、600、700、900番台は上級モデルです。
2桁目(10の位)はヴァージョンを表しており、2019年5月現在、型番2桁のエントリーモデルと700・900番台は3が最新、200・600番台は4が最新です。
3桁目(1の位)は0が光学式心拍計なし、5がありを示していて、0か5しかありません。
また、型番の数字の後ろにJやXTJのついたものがあります。JはJapanのJで、アメリカの製品であるガーミンの日本版だということを意味しているようです。
XTはクロストレーニングの略で、バイクやスイムなどのマルチスポーツ対応ということを意味しています。
しかし、最近のモデルでは、それらのアルファベットがつかなくなってきています。
これは、そもそもフォアアスリートシリーズは日本向けモデルであること(アメリカ版はフォアランナー)と、クロストレーニングモデルが主流になってきているためと思われます。
なお、基本スペックに挙げた6項目について、補足として以下に追記いたします。
①位置情報システム
位置情報を得るシステムといえば「イコールGPS」と認識している人も多いと思いますが、正しくはGNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)です。
GPS(グローバル・ポジショニング・システム)はGNSSの1つで、アメリカが運用している全地球測位システム(地球上の現在地を測定するシステム)であり、もともとは軍事的に運用されていたものです。
約30個のGPS衛星が空には打ち上げられており、GPS受信機によって自身の現在地を受け取ることで、走った距離などを自動で計測できるのですが、実はGPSだけでは高いビルの間や山間部などでは正しい距離の計測が困難です。
そこでGPSを補完する役目として使用されているのが、日本版GPSである「みちびき」です。
みちびき(準天頂衛星システム)は日本の真上に打ち上げられた衛星で、2018年11月から4機で運用されており、2024年には7機体制になることが計画されてます。
現在販売されているガーミンFore Athleteシリーズは、その全てのモデルでGPSとみちびきに対応した位置情報受信の仕組みを持っているため、より高い精度で距離計測ができるというわけです。
その他のGNSSとしてはヨーロッパのGalileo(ガリレオ)や中国のBeiDou(ベイドゥ=北斗)やロシアのGLONASS(グロナス)などがありますが、ガーミンではロシアのGLONASSやヨーロッパのGalileoにも対応したモデルが出ており、より精度の高い位置情報が期待できるわけです。
②稼働時間(GPS稼働時)
特にウルトラマラソンを走る人には重要かもしれません。フルマラソンにはほとんどのモデルで対応できますが、10時間レベルの稼働時間には耐えられないモデルが多いです。
また、仕様が10時間となっていても、実際には10時間もたない場合がほとんどです。
これは例えば1kmごとに自動的にラップをとったりするオートラップの機能を使っていたり、心拍計を使っていたり、経年劣化によったりと、様々な要因が考えられます。
そのため、ウルトラマラソンを走る方は16時間以上のモデルを選んだ方がいいでしょう。
GPS機能を使わない時計モードでの稼働時間は、あまり重要ではないため記載していません。
③光学式心拍計
手首にした時計だけで心拍数を測るモデルです。
古いモデルは胸バンド(ハートレートセンサー)を使用するモデルが多く、これは面倒ではあるものの、手首で計測する光学式心拍計より正確さは高いと言えます。
しかし、やはりハートレートセンサーを使用するのは面倒なのと、光学式心拍計付きモデルも安価になってきているため、心拍を測りたい人は、別売のハートレートセンサーを買うより光学式心拍計付きモデルを購入する方が良いでしょう。
④Bluetooth
最新機種には標準装備になってきています。
スマホ通知に対応するモデルにはもちろんついている機能ですが、ガーミンコネクトとの連携する際にBluetoothがあるとかなり便利です。
Garmin connect(ガーミンコネクト)は、ガーミンをつけて運動したデータ(コース・タイム・高低差・心拍数・ピッチ・ストライドなど)をウェブ上で確認できるクラウドです。
どんなデータが見られるかはガーミンの機種によっても異なりますが、利用するためにはパソコンで登録するか、スマホのアプリをダウンロードするかで、どちらも無料なので登録しない手はありません。
Bluetoothに対応していればスマホとの連携が楽なので、アプリのダウンロードがおススメです。
Bluetooth非対応のモデルであれば、USBを使ってパソコンと連携が可能です。
⑤スマホ通知
Bluetooth機能をオンにすることで、メールやLINE、Yahoo!ニュースなど、スマホに通知される設定にしている情報が時計にも表示される、いわゆるスマートウォッチとしての機能です。
⑥Garmin pay(ガーミンペイ)
Garmin Pay(ガーミンペイ)は非接触型決済サービスで、Apple Watch(アップルウォッチ)でApple Pay(アップルペイ)が使えるように、対象のお店で使うことのできる電子マネーです。
これさえあれば小銭やPASMOやSuicaなどの交通系電子マネーも持たずにランニングに出かけられますが、2019年4月現在で使用できるコンビニはまだローソンくらいです。
対応機種もまだわずかなので、これからというところでしょうか。
Visa Touch(ビザタッチ)という、UFJとVISAが提携を結んだことで作られた電子マネーの仕組みを利用しているようなので、今後普及していく可能性はあるかもしれません。
まとめ
ガーミンの中でもランナー向けのFore Athlete (フォアアスリート)、アウトドア用のinstinct(インスティンクト)、登山用のfenix(フェニックス)などのシリーズがあり、似通った機能があるのでどれを購入すべきか迷うところですが、やはりランナーならFore Athleteのシリーズが一番いいでしょう。
下位モデルでもかなり高機能化しており、その分だけ高価格化もしているので、必要な機能を考えながら購入してください。