アシックスのターサーRP3は前作から大きくモデルチェンジされ、2022年10月13日に発売されました。
定価は税込15,400円と据え置きです。
ここでは前作からどう変わったかを中心に、似たタイプであるターサーエッジ3やライトレーサー4などとも比較しながら、スペックや特徴を説明いたします。
ターサーRP3 重さ
ASICS公式
26.5cmで185gと、前作より15g増となりました。
ターサーRP3 アッパー
ASICS公式
アッパーは前作と同じくエンジニアードメッシュですが、前作よりだいぶ柔らかめとなりました。
ターサーRP3 ミッドソール
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ミッドソールは前作のフライトフォームからフライトフォームブラストに変更となりました。
フライトフォームブラストは通常のフライトフォームと比べてかなり反発性が高い素材ですが、重くなるのが欠点です。
そのため、かつてフライトフォームブラストを使っていたモデルが、モデルチェンジの際にフライトフォームブラストプラスに変更されるという流れができつつありました。
ノヴァブラストが2→3にアップデートされる際にもフライトフォームブラスト→フライトフォームブラストプラスへ変更されたりしています。
それを考えると今回の変更は意外な感じです。
また厚さも2mm増しになりました。
ミッドソールでこれだけの変更がありながら15g程度の増量であれば納得の変更です。
ターサーRP3 アウトソール
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アウトソールはつま先部分が最もグリップ性の高いアシックスグリップで、前足部から中足部にかけては3Dテトラソールとなりました。
前作のRP2はアシックスグリップ+デュオソールでしたが、デュオソールの部分が3Dテトラソールに変わりました。
比較すると、デュオソールの方がグリップ性はあるものの耐久性が低く、3Dテトラソールはグリップ性をあまり下げずに耐久性を高くしたソールです。
なお、3Dテトラソールはターサーエッジ3にも搭載されています。
また、そのテトラソールの向こう側に見える黒いフォーク型のものはトラスティックです。
トラスティックとは硬いプレートで、シューズのねじれを防止したり反発性アップのために入れるものです。
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上図の斜線の範囲で入っていますが、前作までの入り方と違い、より立体的に入るようになりました。
真っ直ぐだったものがスプーン型になったイメージです。
ミッドソールが2mm厚くなったことで可能になりました。
この新しいトラスティックのことをプロパルショントラスティックと言いますが、反発性の向上に大きく関わっています。
ターサーRP3 かかと周り
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かかと周りには前作と同じくエクスターナルヒールカウンターと呼ばれるヒールカウンターがしっかり入っており、抜け感なくしっかりホールドしてくれます。
ターサーRP3 走行感
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ミッドソールが2mm厚くなり、フライトフォームブラストになったことで走行感は大きく変わりました。
接地感は柔らかくなり、反発性も高くなりました。
とはいえ、厚底カーボンシューズのような反発感はなく、走行感は薄底です。
前足部までシャンクは入っていますが、シューズはしっかり屈曲します。
しっかりシューズを屈曲させて蹴るように走ると強い反発性をもらえます。
走り方自体は前作までと同じような、こういう蹴る走りが向いています。
トラックのスピード練習用としても向いていますし、薄底派の人にはフルマラソンのレース用としても向いています。
前作からのデメリットを挙げるとすると、若干グリップ性は下がったこと、重くなったこと、接地感を感じにくくなったことの3つです。
しかし、グリップ性と重さのデメリットについてはほとんど感じないと思う人が大多数で、接地感については柔らかくなったことでプラスに感じる人も多いでしょう。
そのため、それらのデメリットを差し引いてもメリットの方が圧倒的に大きく、個人的には間違いなく前作よりおすすめです。
ただ、これらの変更により、ターサーエッジやライトレーサーとの違いがわかりにくくなったと思いますので、その違いを説明いたします。
ターサーエッジ3との比較
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ターサーエッジ3とターサーRP2は違いが明確化されましたが、ターサーRP3は逆にターサーエッジ3に近づきました。
まず、最も似ている点はアウトソールです。
つま先部分のアシックスグリップと、前足部から中足部が3Dテトラソールという組み合わせは同じです。
ミッドソールはターサーRP3がFFブラストに対してターサーエッジ3は通常のフライトフォームです。
しかし、ターサーRP3が2mm厚くなったことによって厚さも近づきました。
重さは26.5cmで205gと、20gほどターサーRP3の方が軽いです。
走行感としてはターサーRP3の方が圧倒的に反発性を感じるほど機能性には差があります。
ターサーエッジ3の方をおすすめできる人は、より硬い接地感を求める方や、よりコスパを求める方(定価は同じながらセールされてる場合が多いため)に対してくらいです。
しかし、それであればいずれもライトレーサー4の方がおすすめです。
ターサーエッジ3について、より詳しくは「アシックス ターサーエッジ3レビュー!」の記事を参照してください。
ライトレーサー4との比較
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ターサーRP3から速く走るための機能性を削ぎ落とし、耐久性を上げたのがライトレーサー4です。
27cmで225gです。
ミッドソールはフライトフォームプロペルで、フライトフォームより弾力や反発はありますが、ターサーRP3のフライトフォームブラストほどありません。
プレートは中足部に入っており、ねじれ防止の役目を果たしていますが、ターサーRP3のように反発性を上げるためのものではありません。
アウトソールのグリップは決して悪くありませんが、ターサーRP3ほど強くはありません。
そのかわり、耐久性は高いです。
また、アッパーも3Dプリントによりかなり補強されているため、非常に耐久性があります。
速く走るための機能性はそれほどありませんが、そのぶんクセがなく、あらゆるトレーニングに使いやすい超高コスパモデルです。
ライトレーサー4について、より詳しくは「アシックス ライトレーサー4 スペック・特徴レビュー!」の記事を参照してください。
まとめ
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ターサーRP3の基本スペックのまとめです。
・重さ:26.5cm185g
・アッパー:エンジニアードメッシュ
・ミッドソール:フライトフォームブラスト
・アウトソール:3Dテトラソール+アシックスグリップ
ターサーRP3の特徴のまとめです。
・グリップ力は抜群
・自分の力をしっかり反発感に変えてくれる
・トラックのスピード練習からフルのレースまで使える
その他のアシックスのランニングシューズについては「アシックス ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください