アディダス アディゼロ プライムXスペック・特徴   徹底レビュー!
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アディゼロ プライムXは「光速。規格外カーボン。」をキャッチコピーとした、規格外のスペック盛り込みシューズです。

このシューズの説明や多くのレビュー記事では「公式レースには使えない」ことばかりがクローズアップされていますが、そこは本質ではありません。

理由は「補足」で後述しますが、このシューズに価値があるか否かは、「他の厚底シューズより速く走れるか否か」という点に尽きます。

それでは、「スペックの解説」→「走行感のレビュー」→「補足」という順に説明いたします。

アディゼロ プライムX 重さ

公式ホームページによると、27cmで250gです。

26.5cmのシューズを実際に計測したところ、259gでした。

個体差かもしれませんが、公式の発表よりだいぶ重いことになります。

しかし、見た目の重厚さに対してかなり軽く感じます。

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アディゼロ プライムX アッパー

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アッパーはアディオスプロ2.0にも使われているセラーメッシュ2.0です。

ミッドソールの厚さと反比例するように、薄くて軽量です。

外側から内側が透けて見えます。

素材や薄さはナイキの初代ヴェイパーフライ ネクスト%に使われているヴェイパーウィーヴに似ていますが、セラーメッシュ2.0の方がより薄く軽量な感じがします。

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アディゼロ プライムXミッドソール

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ミッドソールの厚さはヒール50mm、前足部41mmとまさに規格外です。

かかとには、50mmを表す表記がされています。

クッション素材はアディオスプロ2.0と同じくライトストライクプロです。

ライトストライクプロは柔らかく反発性も強く軽量なのが特徴ですが、これだけの厚みがあるためかアディオスプロのライトストライクプロよりも柔らかく感じます。

また、プライムXのライトストライクプロは3層構造になっています。

前足部にはアディオスプロ2.0でもおなじみの5本のカーボンバー「エナジーロッド」が入っており、ミッドソールの隙間やアウトソール側から見えるようになっています。

さらにプライムXには、より地面に近い部分に「エナジーブレード」というフラットなプレートが入っています。

これはアディオスプロなど、過去のシリーズにはなかったプライムX独自のスペックです。

そしてヒール部分には50mmの厚さを安定させるため、カーボンヒールプレートが入っています。

しかし、これは外側から触ってもどこに入ってるかわからないほどライトストライクプロの柔らかさしか感じません。

アディゼロ プライムX アウトソール

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前足部にはコンチネンタルラバーが広く使われ、耐久性を上げています。

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前足部に3つある穴から見えているのがエナジーブレードです。

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中足部には空洞の部分があり、エナジーロッドが見えています。

アディゼロ プライムX かかと周り

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かかと周りのつくりは同日発売された「アディオスプロ2.0」「アディゼロジャパン6」「アディゼロボストン10」と同様の仕様になっており、ホールド感を重視していると思われます。

ナイキはヴェイパーフライもアルファフライもここが浅くホールド感は高くないですが、今回のアディゼロの新シリーズはいずれもしっかりホールドしてくれる印象があります。

アディゼロ プライムX レビュー

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50mmの厚さ、ライトストライクプロの柔らかさから推測されるように接地感は非常に不安定です。

わりと地面に近い位置にエナジーブレードは入っていますが、ライトストライクプロの柔らかさの方が勝っており、前足部で着地しても安定はしません。

反発性は確かに高いですが、アルファフライよりは確実に低いです。

うまくポイントで着地できればアディオスプロ2.0より速く走ることはできるかもしれませんが、かなり不安定で横ブレするため、履きこなすためには慣れと筋力が必要で、女性や足首の柔らかい人には不向きなシューズだと感じました。

私は足首が硬く、筋力のあるタイプですが、初めて履いた時には足首を捻って捻挫しかけるほど不安定さを感じました。

意識しないで走ると、私は上の図の丸囲みの位置である中足部の外側あたりから着地するのですが、ここで着地するとそのまま外側に捻ってしまいそうになりました。

捻挫しそうになったのはトラックで走った時で、ロードで走った方が安定し、反発も強く感じます。

不整地はもちろん、柔らかい路面は全く合わないのでロード専用に使うのがおすすめです。

さらに想像どおり、登りには不向きです。

アルファフライも登りは不向きですが、プライムXの方が重いだけにより不向きです。

そして下りに関しても着地位置を問われるシューズだけに不向きです。

勢いに任せてストライドを広げてしまうと着地位置を外し、足を捻りそうになります。

また、試しにかかとから着地するように走ってみましたが、中足部や前足部で着地するより安定します。

ただ、安定するというだけであって、かかとから着地して速く走れるシューズでもありません。

私のように外側から着地するランナーにも向いていないので、フォアフット・ミッドフット・ヒールストライクに関わらず、フラットに接地できるランナーには向いているかもしれません。

この不安定さを前への推進力にのみ生かせるなら良いかもしれませんが、どうしても私には横ブレ感があり、それを修正できませんでした。

また、ペース的には速すぎても遅すぎても安定せず、そこそこのペースで走るのが良い感じです。

以上のことから、使用シーンは非常に難しく、使いこなせる人もかなり少ないと思われることから、価格(税込36,300円)ほどの価値はないシューズです。

[補足]

公式レースでは使えないというのは、あくまでも陸連登録者が出場する日本陸連公認レースの話です。

公認のレースであっても陸連登録者としてエントリーしなければ使うことはできます。

私も陸連登録はしており、公認レースを走ってはいますが、出場する多くのレースは非公認のレースです。

そもそもコロナ禍の今、公認レースは圧倒的に少ないです。

そのため、多くのレースでは使うことのできるシューズです。

また、トラックでは使えないと言われてもいますが、それはヴェイパーフライやアルファフライやアディオスプロ2.0でも同じことです。

つまりヴェイパーフライやアルファフライやアディオスプロ2.0にできてプライムXにできないことは、公認のロードレースに使えるか否かです。

つまり公認のロードレースに陸連登録者としてしか出場しないのであれば、その時点でプライムXは何の価値もないシューズですが、そうでなければ問題となるのは他の厚底シューズより性能が発揮できるか否かという点です。

そのため、私にはこれを使いこなすことはできませんでしたが、うまく使いこなせるのであれば購入する価値はあるシューズだと思います。

なお、公認コースであっても公認レースでないというケースも多いのですが、その件について詳しくは「マラソン公認記録とは?公認レースと公認コースの違いについて」の記事を参照してください。

まとめ

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アディゼロプライムXのスペックや特徴をまとめると以下の通りです。

アディゼロプライムX スペック

・重さ:27cm250g
・ソールの厚さ:50.0mm(ヒール50.0mm/前足部41.0mm)
・ミッドソール:Lightstrike PRO(ライトストライクプロ)+EnergyRods (エナジーロッド)+エナジーブレード

アディゼロプライムX 特徴

・アルファフライより不安定
・フラットに着地しないと横ブレしてしまう
・硬い路面専用
・登りも下りも不向き
・かかと着地には安定感がある
・速すぎるスピードも遅すぎるスピードも向かない

その他のアディゼロシリーズに関しては、「アディダス ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事でまとめてますのでよろしければ参照してください。

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