アディゼロ ボストン10は2021年7月1日に発売されたアディゼロシリーズ新モデル4作のうちの1つです。
他の3モデル(アディオスプロ2.0、ジャパン6、プライムX)については後ほどまとめますが、最も衝撃が大きく大幅なモデルチェンジとなったボストン10について、前作ボストン9からの変更点を中心に解説いたします。
なお、当初ボストン10には5本指のカーボンバーが使われている旨の表記がされていましたが、カーボンではなく、グラスファイバーだったことがアディダスの公式サイトよりお詫びとして発表されました。
詳しくは「2021.07.09 ADIZERO BOSTON 10およびADIZERO AVANTI TYOの商品機能解説に関する訂正とお詫び」を参照してください。
アディゼロ ボストン10 コンセプト
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アディゼロ ボストン10のコンセプトは「全速力。365日の5本指エナジーロッド。」で、5本指エナジーロッドとはアディオスプロに搭載されたことで話題となった、5本の骨状のバーのことです。
アディオスプロに搭載されているエナジーロッドの素材はカーボンで、ボストン10に搭載されているエナジーロッドの素材はグラスファイバーです。
グラスファイバーはカーボンに近い剛性を持ちながらも、より屈曲性・柔軟性に優れた素材です。
その分、反発性はカーボンに劣ると思われますが、足には優しいとも言えます。
この関係性はナイキで言うと、アルファフライがカーボンプレート、ズームテンポが合成プレートであるのと同じです。
アディオスプロはレース用のエース級シューズのため、毎日使うようなものではありませんが、ボストン10は毎日使えるエナジーロッド入りシューズであることを表した表現がシューズのコンセプトです。
このコンセプトからも、アディゼロボストン10はアディオスプロをレース用に使用する際の練習用に使うべきシューズというのが伺えます。
アディゼロ ボストン10 重さ
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27cmで273gです。
前作は235gだったため、かなり重くなりました。
アディゼロ ボストン10 アッパー
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アッパーは2層になっており、表面にはアディオスプロ2.0でもおなじみのセラーメッシュ2.0が使われています。
トップモデルに使われているアッパー素材だけあって、軽量で通気性が良いのが特徴です。
2層のアッパーの間に指を入れると、セラーメッシュの薄さがよくわかるでしょうか。
内側には、柔らかく伸縮性のあるメッシュ素材が使われています。
アディゼロ ボストン10 ミッドソール
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ミッドソールは2層構造で、上がライトストライクプロ、下がライトストライクEVAです。
前作まで使われていたブーストフォームはなくなりました。
ライトストライクプロはアディオスプロにも使われている最上級ミッドソールで、高い反発性とクッション性のある柔らかい素材です。
ライトストライクEVAは=ライトストライクと考えて良さそうです。
ライトストライクはライトストライクプロより硬く、反発性は劣りますが、クッション性・軽量性は引けを取らない素材です。
ミッドソールの厚さはヒールが39.5mm、前足部で31mmと前作のヒール26mm、前足部16mmから大幅に厚みを増し、アディオスプロと同レベルになりました。
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また、前述したように中足部から前足部には指の形に沿って5本のエナジーロッドが内蔵され、かかと部にはナイロンプレートが入り安定感を高めています。
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前作ボストン9はかかと部にブーストフォームが厚めに配置されていましたが、かかとから着地するとやや沈みこむ感じがありました。
ボストン10はボストン9よりかかとの厚みは13mmも増した上にクッション性も上がりましたが、ナイロンプレートとライトストライクによって、沈み込まないしっかりした接地感が得られます。
足裏の感覚は柔らかめですが、接地感は硬めといった感じです。
アディゼロ ボストン10 アウトソール
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アウトソールにはコンチネンタルラバーが全面に配置されていることで耐久性を高めています。
コンチネンタルラバーはタイヤにも使われるようなグリップ性と耐久性の高いラバーです。
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こちらはボストン9のアウトソールです。
ボストン9もコンチネンタルラバーが使われていますが、配置はだいぶ変わりました。
ラバーの配置の違いによる走行感の違いはよくわかりませんが、見た目的にボストン10の方がグリップは良さそうです。
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また、中足部には空洞部分があり、エナジーロッドが見えています。
これはデザイン的なところもありますが、軽量化のためでもあるようです。
アディゼロ ボストン10 かかと周り
地味な変更点ですが、かかと周りもしっかりしたホールド感のあるものになりました。
ヒールカウンターがしっかり入っています。
また、生地が厚く、二股に分かれていることもあり、かかとのフィット感は高く、履き心地も良く感じられます。
まとめ
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ボストン10はこれだけのスペックを搭載しながら、本体価格14,000円(税込15,400円)とかなりリーズナブルです。
さらに発売当初からセールしているところも多いので、手軽にエナジーロッドを試したい人やアディオスプロをレース用にしたい人の練習用にはとてもおすすめです。
ボストン9はジョグからレースまで使える長めの距離向けのシューズでしたが、ボストン10はスピード練習からロング走まで使えるものの、練習特化型のシューズです。
また、スピード練習の中でも、インターバルやレペティションなどの極端に速いペースよりペース走やビルドアップなど比較的長めの距離のスピード練習が最もおすすめです。
シューズの重さが結構あることと、他のカーボン入りシューズと比較すると反発性は低めであることがその理由ですが、上手くペースにはまればスピードを持続させやすいシューズです。
アディゼロ ボストン10のスペックや特徴をまとめると以下の通りです。
・重さ:27cm270g
・ソールの厚さ:39.5mm(ヒール39.5mm/前足部31mm)
・ミッドソール:Lightstrike PRO(ライトストライクプロ)+Lightstrike(ライトストライク)+EnergyRods (エナジーロッド)+ナイロンヒールプレート
・アディオスプロ(アディオスプロ2.0)の練習用
・持続性のあるスピードを生み出しやすい
・足裏は柔らかく感じるが、接地感は硬め
その他のアディゼロシリーズに関しては、「アディダス ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事でまとめてますのでよろしければ参照してください。