アディダスのアディゼロ プライムX3 ストラングは、2025年7月に発売されたルール度外視の異次元コンセプトモデルの実質4代目(初代がプライムX、2代目がプライムXストラング、3代目がプライムX2ストラング)です。
ルール度外視というのは、公認レースで使用可能とされる40mm以内の厚さとプレート1枚という規定に引っかかるためです。
価格は本体36,000円、税込で39,600円と前作プライムX2ストラングと同じですが、アディオスプロ4を上回る超高級モデルです。
その価値があるのか、前作プライムX2ストラングと比較しながらレビューいたします。
アディゼロプライムX3 ストラング 重さ
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27cmで275gと、かなり重量があります。
しかし、ミッドソールの真ん中に空洞ができたためか、前作より25g程度軽くなっています。
アディゼロプライムX3 ストラング アッパー
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商品名にもつけられているストラングアッパーです。
素材はテキスタイル(織物とその材料である繊維を指す言葉)とのことですが、硬めの糸が張り巡らされているようなもので、今までに類を見ないタイプのアッパーです。

通気性が良いという説明もありますが、ニットやメッシュよりどう考えても悪そうです。
このシューズ以外で見ない種類のアッパーですが、どう考えても機能的に良い点がわかりません。
アディゼロプライムX3 ストラング ミッドソール
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一番の特徴はミッドソールで、かかと部は50mm、前足部も43mmの極厚底です。
ミッドソール素材は最上級のライトストライクプロで、2枚のカーボンプレートが挟み込まれています。
こららの点は前作と変わりありません。

しかし、かかと部分からカーボンプレートがはみ出るようになりました。
アディゼロプライムX3 ストラング アウトソール
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アディオスプロ4やタクミセン11などのレーシングモデルと同じく、軽量でグリップ力が高めなライトトラクションが多く使われ、前足部の蹴り出し部分にだけコンチネンタルラバーが使われています。
アディゼロプライムX3 ストラング 走行感
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前足部をしっかり潰すと大きな反発を得られます。
体重を預けて自然な反発をもらおうとする走りが向いており、蹴ろうとするとシューズの重さを感じてしまいます。
かかとのクッションは絶大で、地面を全く感じないほどのクッション性があります。
クッションはかなりありますが、ペースがゆっくり過ぎるとシューズ本来の機能を発揮できないため、速いペースで走る方が向いています。
また、重さもあり、ペースの切り替えには対応しづらいため、一定ペースで長く走る練習やレースに向いています。
気になるのは安定感です。
Uターンや直角に曲がるようなカーブは気をつける必要がありますが、意外に安定感はあります。
初代のプライムXは、あまりにも安定感がなく、私も足首を捻りそうになりました。
しかし、前作プライムX2ストラングでは前足部から中足部の幅が広がったためか思ったよりも安定します。
この感覚は今作でもプライムX2ストラングと同様です。
女性や体重の軽いランナーには扱いが難しいかもしれませんが、体重や筋力のあるランナーなら扱えると思います。
前作と違うのは、重量が軽くなったため、スピードを出しやすくなり、扱えるランナーの幅も増えた点ですが、それでも扱いは難しいシューズと言えます。
[補足]シューズの40mm規定について
公認レースでは、シューズの厚さは40mm以内と決められています。
しかし、公認レースであれ、陸連登録者として出走していなければ関係ありません。
関係があるのは公認レースで陸連登録者として出走するランナーだけですが、実際、公認の大会でも参加者全員のシューズの厚さチェックをしているレースは皆無です。
入賞者のみ対象とするなど、ごく一部のエリートランナーに限る場合がほとんどで、もしレースに使いたいのであれば規定を確認すると良いでしょう。
ただし、レースで使うのであれば距離や公認・非公認のレースに関わらず規定をクリアしているアディオスプロ4やタクミセン11の方が機能的にもおすすめです。
アディゼロプライムX3 ストラング レビュー まとめ
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アディゼロプライムX3ストラングのスペックや特徴をまとめると以下の通りです。
・重さ:27cm275g
・ストラングアッパー
・ソールの厚さ:50mm(ヒール50mm/前足部43mm)
・ミッドソール:Lightstrike Pro(ライトストライクプロ)+カーボンプレート×2枚
・前作プライムX2ストラングから安定感は変わらず軽量化
・ある程度の速さと一定のリズムを刻むと長く楽に走りやすい
・蹴らずに前足部を潰すように走るとスピードに乗りやすい
その他のアディダスのランニングシューズに関しては、「アディダス ランニングシューズ徹底レビュー!スペック・特徴まとめ」の記事を参照してください。
















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