東京マラソン一般参加中止でも参加費の返金なし!その理由とは?

2週間後に本番を控えた2月17日(月)、東京マラソン2020の一般の部を取りやめ、エリートのみのレースとするという衝撃のニュースが走りました。

このレースを大目標に掲げていた私には大きな喪失感がありましたが、ネットやテレビですぐに話題となったのは「返金をしない」という点です。

返金できない理由とは?

東京マラソンに限りませんが、マラソン大会は開催当日よりも開催までの準備に多くの費用がかかります。

コース設営・安全対策、そのために発注する備品は当然準備済みでしょうし、そのために関係各所と折衝する時間を人件費に換算すると、特に東京マラソンのような大規模な都市型マラソンではかなりのものでしょう。

ボランティアスタッフの数も東京マラソンは約11,000人もいるわけですが、彼らが着るボランティアウェアやキャップにも当然お金はかかりますし、事前の教育のための会場を借りる費用もかかります。

ボランティアだからお金がかからないと思う人もいるようですが、大きな間違いです。

また、これが一番わかりやすい例ですが、参加賞やランナーが走るための備品の作成にも多くの費用はかかります。

具体的にはTシャツ・タオル・完走メダルやナンバーカード・計時チップ・大会プログラムなどなどです。

当日にかかる費用は道路封鎖に伴う警備の費用くらいではないでしょうか?

特に今回の東京マラソンの場合は開催自体がなくなるわけではないため、時間や人数の縮小はあるかもしれませんが、警備費用もなくなるわけではありません。

むしろ中止することによって、本来は受付時にもらえるはずだった記念品などを発送する必要が出てきます。

そのための郵送費だけでも数千万はかかるでしょうし、人件費もかかるはずです。

と、以上のことを考えると、中止にしたからといって返金などできるはずもありません。

むしろ経済効果がなくなることによるマイナス面の方がはるかに大きいと言えます。

ちなみに東京マラソン2020は参加費だけで約6億円の収入がありますが、(2019年は参加費1人10,800円のため約5億円)運営費用は20億円近くあります。

元をとるには1人当たり最低でも5万円はとらなければならないわけです。

さらにEXPOや関連イベントなどを合わせると40億円近い出費があるのです。

この不足分を賄っているのが約35億円のスポンサー収入ですが、2019年は約7,000万円の赤字だったようです。

これを受けて2020年から参加費は16,200円に値上がりしたわけです。

他の大会でも参加費だけでは赤字になるのが普通で、スポンサーが必要です。

東京マラソンは多くのスポンサーがつきますが、他の大会ではそこまでのスポンサー収入は期待できないのは明白でしょう。


返金すべきと言う人達

少なくとも私の周りに「返金すべき」と言うランナーは1人もいません。

そのほとんどの人がサブスリーランナーですが、そうでなくてもラン歴は長いランナーたちです。

返金すべきだと言っているのは、ほぼラン歴の浅いランナーか非ランナーです。

前述したような返金できない事情を知ろうともせず、公の場で返金すべきだと言ってしまう教育評論家や政治家には呆れてしまいました。

もし返金するとなると税金が使われるのではないかと思いますが、そういうことを考えての発言だったのでしょうか?

また、中国からの参加者には当初返金すると発表していましたが、これに対して不公平を唱える人も多くいました。

しかし、この発表は一般の部中止を決める前のことであって、中止になった今、それは撤回されると私は冷静に思っていました。

そして、やはり20日になって返金対応は撤回され、中国からの参加者にも返金はされないこととなりました。

エントリー規約

東京マラソンのエントリー規約には以下の記載があります。

積雪、大雨による増水、強風による建物等の損壊の発生、落雷や竜巻、コース周辺の建物から火災発生等によりコースが通行不能になった結果の中止の場合、関係当局より中止要請を受けた場合、日本国内における地震による中止の場合、Jアラート発令による中止の場合(戦争・テロを除く)は、参加料のみ返金いたします。なお、それ以外の大会中止の場合、返金はいたしません。

東京マラソンエントリー規約 第13項

つまり、自然災害などにより中止せざるを得ない場合は返金しますが、主催者判断の場合は返金しないということです。

テレビでカズレーザーさんも言っていましたが、「普通逆じゃない?」というのが通常の認識です。

確かにそうですが、これは主催者側の事情によるところがあります。

おそらく東京マラソンはイベント中止保険(興行中止保険)に入っていると思われます。

そこで保険がおりるかおりないかという点が問題であり、自然災害なら保険がおりるから返金可能ということです。

東京マラソン2019の収支予算を見ると、14,818,360円の保険料というのがあります。(90万円の保険料という項目もありますが)

おそらくこの金額がイベント中止保険ではないかと思われます。

来年の対応

東京2020に参加権がありながら今回走れなかった人は、別途参加費は必要となるものの、来年の参加権は得られることとなりました。

エントリー方法などは未定のようですが、ひとまず私にはこれで充分でした。

今回走れなくて可哀想だとも言われますが、今回もともと落選の人は来年も走れる可能性が狭まったということであり、来年走れる私としては逆に彼らの方が可哀想だなと思ったりもします。

今回はナンバーカード・計時チップ・ランナーローブ・アルミシート・2020大会公式プログラムなどの記念品が後ほど送られてくるとの案内がありましたが、完走メダルは東京マラソン2021を完走した時に今年の分ももらえるとのことです。

東京マラソン返金なしの意味とは?

東京マラソンが返金をしないということだけで話題となり、私も非ランナーから意見を求められることも多かったほど関心を集めるニュースとなりました。

しかし、もし東京マラソンが返金に応じていたとすると、それが各マラソン大会のスタンダードとなってしまいます。

東京マラソン一般参加の中止を受けて各マラソン大会がドミノ的に中止を発表していきましたが、そのほとんどが返金なしです。

もし、東京が返金すると言ってしまうと他の大会はなおさら運営が厳しいのに返金せざるを得ないか、返金しないということを叩く輩が多く出てくると思われたので、東京のこの対応は良かったと思います。

私が一番憂慮していたのは、財政の厳しいマラソン大会が今後の開催を断念し、マラソン文化自体が衰退していくことです。

マラソンを愛する者として、東京マラソンの参加費が返金されないことくらい痛くもありません。

どうかマラソン文化が衰退してしまわないように。切にそう願うばかりです。

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