
ナイキのエアと一言に言っても、エアマックスシリーズに使われる「マックスエア」と、ズームランニングシューズに使われる「ズームエア」では機能も役目も異なります。
ここではその違いと、ズームエアが搭載されたナイキのズームランニングシューズシリーズを搭載箇所別に解説いたします。
マックスエアとは?
1980年代から1990年代にかけてブームとなったエアマックスに搭載されていることで有名になりました。
ミッドソールのクッションをエア化することで軽量かつクッション性の向上に寄与しました。
また、エアを見える化することでファッション性の向上にもつながったため、あのエアマックス95の爆発的な大ヒットとなったのではないかと思います。
マックスエアは年を経るごとに見えるエアの領域が広がっていきました。
エアマックスは一応ランニングシューズという位置づけのシューズですが、ファッション感覚で履く人が多く、ランニングに使うには少々重いです。
初心者向けにおすすめされていることも多いですが、後述するズームランニングシューズの方が初心者向けもたくさんあり、おすすめです。
ズームエアとは?
マックスエアがクッション性であるなら、ズームエアは反発性がその特徴です。
エアの中にバネの働きをする繊維が入っていて、体重をかけると反発力をもらえます。
ズームエアはズームランニングシューズに主に使われていくことになりますが、実はズームランニングシューズ=ズームエア搭載というわけではありません。
ズームランニングシューズ
ズームランニングシューズには必ずズームエアが入っているわけではありません。
また、エアは前足部に入っていたり、後足部に入っていたりします。
では、どのシューズがどこに入っているのか、実際のモデルにて解説いたします。
前足部搭載モデル
ズームライバルフライ2

初代ライバルフライもライバルフライ2も前足部のみ搭載しています。
後足部はクシュロンLTの厚底ミッドソールで、反発性よりクッション性重視です。
ズームストラクチャー23

初心者におすすめされることの多いシューズですが、こちらも前足部のみです。
かかと着地のランナー向けというイメージのシューズですが、後足部はクッション性重視なのだと思います。
ズームグラビティ2

高校の部活生をターゲットとしたコスパ系のシューズです。
ミッドソールは厚底ですが、ファイロンであるため、クッション性より反発性が高く感じられます。
ズームペガサス38

ペガサスのエアは前作の37から前足部のみとなりました。
36まではフルレングスで入っていましたが、前足部のみに変更された代わりにエアは倍増されました。
ズームボメロ15

前作のボメロ14までフルレングスで搭載されていましたが、今作から前足部のみとなった代わりにエアは倍増されました。
ペガサスが36から37に代替わりした時と同じ変更です。
またボメロ15はかかと部にズームXが搭載されたのが特徴的です。
エアポッド搭載モデル
ズームアルファフライネクスト%

このシューズの発売前は、ズームエアはミッドソールに内蔵されるものでした。
しかし、アルファフライにはズームエアポッドとして、独立して前足部につけられました。
内蔵型のズームエアより独立型のズームエアの方が反発性は高く、内蔵されたカーボンプレートもあって反発性最強のモデルです。
ズームテンポ ネクスト%

アルファフライと同じくズームエアポッド搭載のモデルです。
合成プレートも内蔵されていますが、エアポッドと合わさって反発性はかなり高いモデルです。
後足部搭載モデル
ズームストリーク7

ズームストリーク7は薄底のレーシングモデルですが、後足部のみです。
ミッドソールはファイロンで、クッション性は少なく反発性重視のモデルです。
ズームストリークLT4

ズームストリークLT4はナイキ最軽量のモデルです。
こちらは通常のストリークと違い、ミッドソールはクシュロンLTです。
クシュロンの方がファイロンよりクッション性はありますが、ソールが薄いのでほとんどクッション性は感じられないモデルです。
フルレングス搭載モデル
フルレングスで搭載していたモデルはズームペガサス36・ズームボメロ14と以前のモデルにはありましたが、いずれも前足部のみに変更となりました。
前後搭載モデル
ズームウインフロー7

ズームシリーズで最もマイナーなシューズではないかと思いますが、ズームウィンフロー7は前足部にも後足部にもエアが入っています。
しかし、特別に機能性の高いシューズではなく、価格が安いのが一番のメリットというシューズです。
スピードは出せませんがクッション性はあるので、ジョグしかせず安いシューズを探しているならおすすめします。
非搭載モデル
ズームXヴェイパーフライ ネクスト%2

ヴェイパーフライにはズームエアが入っていません。
このシューズの反発性はズームXとカーボンプレートによるものです。
何故、ズームエアが入っていないのにズームランニングシューズなのかという点ですが、「ズーム」はズームエアではなくミッドソールのズームXのことを指しているのではないかと思います。
ナイキ ズームXヴェイパーフライネクスト%2 徹底レビュー!
ズームフライ3

ズームエアも入っていなければズームXも入っていないのに何故かズームを名乗るシューズです。
ミッドソールはリアクトにカーボンプレートです。
リアクトはちょっと重量がありますが、クッション性と耐久性が高く、反発の強いカーボンプレートとの相性が良いと思います。
まとめ
ズームエアはクッション性もある反発性素材ですが、反発性に関してはカーボンプレートが主流になってきました。
しかし、アルファフライとズームテンポに搭載されたエアズームポッドにより、また注目を浴びる存在になりました。
エアがどこに入っているか知らなかった人も多いと思いますのでこの記事を参考にしてもらえたらと思います。
なお、エアの反発性を語る上でミッドソールについても多く書きましたので、詳しく知りたい方は「ナイキミッドソール徹底レビュー〜ファイロンからズームXまで〜」の記事を参照してください。
また、ナイキのズームランニングシューズについてのレビューは「ナイキズームランニングシューズ徹底レビュー!最新モデルを随時更新」の記事でまとめて書いてますので、興味のある方はご覧ください。