ナイキのランニングシューズのアッパーの種類と特徴とは?

アッパーとはシューズの上側にあたる部分のことで、足の甲を覆う部分です。

スニーカーに使われるアッパー素材はレザー・キャンバス・エナメル・スウェードなど多種多様ですが、ランニングシューズの場合は通気性・軽量性がなくてはならないため、メッシュ素材が一般的です。

アッパーは確かに履き心地を決める重要な部分ですが、私はランニングシューズの性能として、ミッドソールやアウトソールほど重視していませんでした。

ところが最近は技術の進歩によってフライニットやヴェイパーウィーヴなどの新素材のアッパーを使ったヴェイパーフライが注目されるなど、アッパーも急激な進化を見せています。

ここでは各素材ごとの特徴の説明と代表的なナイキのランニングシューズをご紹介いたします。

エンジニアードメッシュ

メッシュ素材というのは網目状の素材のことで、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維が使われています。

ナイキのランニングシューズのアッパーで最もよく使われているエンジニアードメッシュ素材とは、部分ごとに細かく編み込みを変えることが可能な素材です。

通気性重視のところは緩めに、サポート性が必要なところはきつく編み込むことができるなどといった調整が可能です。

部分ごとに編み込みを変えることができる分、シューズによって全く異なる質感にも思えるのが特徴です。

以下、質感の違う3種のアッパーについてコメントします。

ズームストリークLT4のメッシュはかなり穴の空き具合が大きく通気性が非常に良いです。冷え症の私は冬には履けず夏専用のシューズです。

ズームストリーク7はズームストリークLT4や前作のズームストリーク6より穴の空き具合が小さく、こっちの方が耐久性があって好きです。前作はミッドソールやアウトソールが無事なのにアッパーが破けてしまいました。

ズームペガサス36はデザインがまず大好きです。通気性は上記の2つに及ばないですが、その分履けるシーズンは長くて使用頻度が最も高いシューズです。


フライニット

フライニットとは、強度の高い繊維素材を糸状にし、まるでセーターのニットのように編み込んだナイキ独自の技術です。

エンジニアードメッシュのように通気性を高めたいところは緩めに、サポート性を高めたいところはきつめに編み込むことができるので、こちらもシューズによってデザインが様々です。

そしてメッシュにはない最大の機能は伸縮性です。多少きつめに履くくらいがホールド感が良く感じます。

2018年から2019年にかけてナイキのランニングシューズはフライニットがブームとなりました。

その一翼を担ったのがヴェイパーフライ4%フライニットとズームフライ フライニットです。

ズームランニングシューズはこの2種類がフライニット化されましたが、リアクトシリーズもオデッセイリアクトやエピックリアクトがフライニット化され、ランニングシューズ以外のスニーカーにも瞬く間に広がりました。

フライニットであることはシューズ名にも強調され、ヴェイパーフライ4%もズームフライも2作目でフライニット化されましたが、名称は「2」ではなく、ヴェイパーフライ4%フライニット、ズームフライ フライニットとなりました。

しかし、2019年7月のヴェイパーフライネクスト%・ズームフライ3の発売と同時に今度は一気に衰退してしまいます。

フライニットは通気性に優れるものの、水分を吸収しやすいと言われていて、その欠点を補うためにヴェイパーウィーヴという新素材ができました。

ネクスト%だけでなく、同時発売のズームフライ3でもヴェイパーウィーヴは使われたため、ズームランニングシューズではフライニットの現行モデルはなくなってしまいました。

伸縮性ではフライニットの方が良いこともあって、外反母趾のためヴェイパーウィーヴよりフライニットの方が良かったなんて声も聞きますが、今後はトランスルーセント・ヴェイパーウィーヴ化が進んでいくと思われます。

トランスルーセント

最近良く耳にするようになった素材です。

触った感じはちょっとつるつるしていて、エンジニアードメッシュやフライニットのように、通気のために開いている穴が見えません。

トランスルーセントとは、光を通す半透明という意味のようで、正直なんのこっちゃというところですね。

意訳すると、光を通すほど薄く加工した合成素材で、最近ナイキではシューズに限らず多くの商品に使われています。

トランスルーセントは通気性が高いのに雨や風にも強いことが特徴なのだそうです。

このあたりの理屈はゴアテックスと同じではないかと思われます。

また、トランスルーセントは単独でなく、アッパーの外側に使われ、内側にエンジニアードメッシュという組み合わせで使われることが多いようです。

ネクスト%やズームフライ3と同時に発売されたペガサスターボ2がトランスルーセント+エンジニアードメッシュです。

通気性という点ではフライニットよりないと私は感じていますが、防風・防水効果は間違いなくメッシュやニットより高く、冬の寒い日の練習用にはこの素材が一番だと思います。

なお、2が発売されたライバルフライは、初代のエンジニアードメッシュからトランスルーセント+エンジニアードメッシュにアッパーが変更されており、2019年に新発売されたズームグラビティにも搭載されるなど、今後広まっていきそうなアッパー素材です。

ヴェイパーウィーヴ

ネクスト%およびズームフライ3に搭載された新アッパーです。

とにかく薄くて軽いのは見ただけでもわかります。通気性も良さそうです。

そして最大の特徴は保水性の低さです。

これは私も雨のつくばマラソン2019でネクスト%を履いたので実際に体験しましたが、確かにアッパーが濡れて重くなることはありませんでした。(防水シューズではないのでインソールは濡れてきます)

また、非常に薄いのに強靭な素材だとも説明されています。

ヴェイパーウィーヴを初めて見た時、その破けてしまいそうな薄さを心配しましたが、これまで何レースか使ってもその心配はなさそうですし、実際にあれだけのランナーがネクスト%を使用しているのに破けたという話は聞かないので、確かに大丈夫なのでしょう。

しかし、それだけ丈夫であるなら、ヴェイパーウィーヴの下にインナーをつけているズームフライ3は不可解です。

ただでさえ重いシューズなので、ない方が軽量化するのでは?と思っています。

アトムニット

アルファフライに採用されたアッパーです。

ヴェイパーフライネクスト%以降、ヴェイパーウィーヴの時代が続くかと思いましたが、あっさりと新アッパーになりました。

特徴としてはフライニットより通気性は良く、撥水性があり、伸縮性がないといったところです。

ただ、撥水性はヴェイパーウィーヴほどありません。

今回アルファフライに採用はされましたが、またすぐに新アッパーが出てきそうな気がします。

それほどヴェイパーウィーヴに対して優位性があるとは思えないからです。

アトムニットについて、より詳しくは「ナイキ エアズームアルファフライネクスト%徹底レビュー」の記事を参照してください。

まとめ

ランニングシューズのアッパーは、ミッドソールやアウトソールより注目を集めないかもしれませんが、実は履き心地に大きく影響する部分です。

かつては通気性が最も重要視されている感じがありましたが、最近では撥水性や軽量さが重要視されるようになっており、急激な技術革新が進んでいるパーツです。

ミッドソールばかりでなく、アッパーにも注目してランニングシューズの履き心地を感じてみてください。

なお、ミッドソールについては「ナイキミッドソール徹底レビューナイキミッドソール徹底レビュー!ファイロン・クシュロン・ルナロン・リアクト・ズームXの違いとは?」の記事を参照してください。

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